痛い話 ブログ

いろんな話題を勝手に収集しまくるブログ。おもしろい、たのしい、痛い、めずらしい、注目されている、されていないを関係なくまとめてます。

    食戟のソーマ

    5
      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

    【ネタバレ】食戟のソーマ 172 感想【注意】

    第172話 いざ戦いの地へ

     

    雪に飛び込む創真と吉野

    そして走り出す「北海道だー!!」

     

    遠月学園の1年生達は空路にて北海道へ到着

    バスに乗り換え、移動を開始しようとしていた

    吉野「私北海道初めてー!!」

    榊「私も!!」

    一面の雪に興奮する一同

    吉野「ゆ…雪だるま!雪だるま作らなきゃ!」

    佐藤「おおお、そだな!こんだけ雪が積もってんのに作らなきゃもったいねぇ!!」

    ボソッと言う伊武崎「かまくら…」

    はっとする吉野達「それだー!かまくらだー!!」「いそげー!」

    雪によってテンションがおかしくなってる寮生達

    それに対し、余裕の傍観をきめる雪国育ちの3名(田所・アリス・黒木場)

    くすくす笑うアリス

     

    ss172-1

    えりな「浮かれてるんじゃありません」

    吉野「えりな… “先生” …!!」

    えりな「あなた方はここへ遊びに来たのかしら?雪とたわむれてる場合?」

    吉野「すみませんでした、えりな先生!!」

    えりな「え、えりなっちで良いわよ…」

    ざわつく他の生徒達「なんだあの団体」「不…不思議な組み合わせね…」

    えりな「ちょっとスパルタしすぎたかしら…?出発前の勉強会…」

    秘書子「いいえ、えりな様!素晴らしい勉強会だったと思います!あれくらい徹底的にやらなくては!」

     

    7日前…

    進級試験について説明する秘書子

    2年生への進級試験は毎年、北海道で行われるのが慣例となっているらしい

    創真「ほー…北海道!」

    田所「地獄の合宿と似たような感じなのかな…?」

    秘書子「確かに似ている所も多いが、大きく異なる点がひとつある それは課題を1つクリアする度にどんどん移動していくという点だ

     

    ss172-2

    南端からスタートし、北へ北へと移動を続けながら各地で試練をクリアしてゆく

    北海道の各地に遠月学園が所有する宿泊施設は点在しているからな それらを辿りながら合格者は北上していくわけだ」

    創真「へぇーっ 北海道を縦断するってわけかぁ スケールでけーな」

    秘書子「任意・またはランダムでルートが分岐するポイントも存在する 乗り越えなければならない課題の数は計6つだ!

    そして最後の試験が行われる旅のゴールはここ 北端の日本海沖に浮かぶ、この離島だ…!

    そして今年は例年とは大きく状況が違う セントラルによって試験の全てが支配されているのだから…!」

    えりな「そう…だからこそあなた方は準備をしなければなりません

    試験を乗り越える解答を捻りだす為に…現地で柔軟に立ち回る準備をね!」

    吉野「えりなっち!どこ行ってたの…  !?」

     

    ss172-3

    女教師風の衣装のえりな「今日から出発までの1週間 私があなた方に対して…北海道講座を開きますわ!!」

    創真「(北海道講座…!?)」

    田所と吉野「(何その服エロい!!)」

    えりな「しおりによれば北海道の食材がテーマになるのは例年と変わらないとのこと!私は幼い頃から全国津々浦々の料理・素材を味わってきました

    もちろん北海道についても同様です!その知識をあなた方に授けます!!弾丸を増やすのよ あなた達が試験を戦い抜く為の弾丸をね!

    ちなみに…少々厳しめに叩き込みますが一切の弱音は許可しません ついてこれますね?」

    吉野達「は…はひ…っ」

     

    えりな「(セントラル側はもう彼らを脱落するものと見なしているでしょう だけどまだ決して遅くはないわ…!)」

     

    場面は変わって…自ら授業をしている薊

    生徒達「す…すごい…!」

    薊「参考になったかな?以上で試験前の特別授業は終わりだ」

    生徒達「薊総帥が自ら授業をして下さるなんて!!」「超絶技巧の皿ばかりだ…これがセントラルの料理…!」

    薊「我々が教えるやり方を踏襲していれば君達は何も恐れることなく試験に臨める

    愚かにもセントラルに抗う連中が不合格になっていく様を見ながらね…」

     

    ss172-4

    生徒達「はい…!」

    じゃがいもを取り出すえりな「北海道といえば素晴らしい食材の宝庫ですが、じゃがいも!!これなしに北海道の食を語ることはできません!

    北海道での収穫量は全国シェア8割!50以上もの品種が作付けされているわけですが…手始めにその全ての特徴を頭に入れてもらうわ」

    資料をどっさり用意しているえりな

    吉野「は!?50種ぜんぶ!?」

    えりな「じゃがいもの後も北海道特有の野菜・魚介・牛肉・ジビエなど あらゆる知識を叩き込みます」

    吉野「あと1週間しかないのに!?」

    ドアの隙間から覗いているにくみ「えりな様…かっこいい…」

    そこにはアルディーニ兄弟もいる

    イサミ「なんかすごい勢いだねー」

    タクミ「薙切薊もまさかこんなことになっているとは思わないだろうな…」

    そこにやってくるえりな「水戸さん!アルディーニくん達!あなた達も受けていきなさい!」

    タクミ「な…なぜオレ達まで…!」

    えりな「あなた達もセントラルのやり方には反対なのでしょう?だったら聞いておいて損はありません!!」

    資料を渡されるにくみ達

    創真はそれを少し離れて見ていたが…

    えりな「なぜ自分は関係ないような顔をしているの!!幸平くんも受けるの!!さぁこっちにお座りなさい!」

    創真「おわっ…わかったわかったって!

    けどさー薙切ー、これがほんとに試験の役に立つのか?学園側が何を仕掛けてくるかもわかんねーのにさぁ」

    えりな「…でも課題が出る以上、答えを捻りだす方法は必ずあるはずよ …今まで君がやってきたようにね

    風穴をあけるのよ この人達ならそれが出来るはずだわ」

    創真「…!」

     

    夜になり…一風呂浴びた創真

    一部の寮生は秘書子による補習を受けている

    えりなは1人、机に向かっている

    創真「薙切ぃ、勉強会の準備か…?お前もあんま根つめねーで風呂とか入って休めよな」

    えりな「…幸平くん…別にこれくらい平気よ」

    創真「まぁそーだなー 俺らの進級はお前にかかってるわけだからな 頑張ってもらうには越したことはねーもんな!」

    えりな「…君もですからね」

    創真「…ん?」

    えりな「他人事みたいにのんきだけれど…君も試験をクリアしなくてはダメですからね いいこと?」

    創真「…おいおいまさか薙切からそんなこと言われるなんてな〜 合宿の時は俺が脱落するのを楽しむ〜とか何とか言ってたのによー」

    えりな「茶化さないで答えなさい」

    創真「!」

     

    ss172-5

    えりな「今の私は…ここにいる皆が学園から去るなんてとにかく絶対にいやなの

     

    ss172-6

    いっしょに2年生になるのよ わかったわね!」

    創真「…おうっ あたりめーだろっ!」

     

    場面は変わって空港

    司「もう1年生達は到着してる頃だな」

    その場にへたりこむ茜ヶ久保もも

    斎藤綜明「…どうした茜ヶ久保」

    茜ヶ久保「飛行機…こわい…!のりたくない…!」

    ブッチー(ぬいぐるみ)を引っ張って連れていく斎藤「わがままを言うな、さぁ行くぞ」

    ずるずる引きずられる茜ヶ久保「やだぁ…!!」

     

    飛行機に乗った司達

    竜胆「っふー…長い旅が始まるぜー… まぁタダで北海道旅行できると思えばサイコーだよな ほらほら司ー、これ見てみろよ うっまそうだぞー!」

    司「竜胆…試験のことも忘れないでよ…?」

     

    場面は極星寮

    ふみ緒「一色…行くんだね」

    一色「えぇ かわいい後輩達の為だからね…!」

     

    空港にて…

    元第八席の久我照紀が中華研の部員達を率いている

     

    飛行機を見送る元第三席の女木島冬輔

    誰かと通話している

    女木島「…わかってる おぅ…待ってろ…」

     

    バスに乗って進む1年生

    「遠月学園高等部1年生の皆様、ようこそ北海道へ この進級試験…北の大地を駆けぬけていく事から、通称としてこんな風にも呼ばれております

    “ツールドノール” と!厳しい北の大地を象徴するかのような呼び名でございます」

    (ノールはフランス語で北の意)

    「えーここで右手をご覧下さいませ 不合格となった方はあのバスで空港へ直行…東京に強制送還され “即退学” となります」

    ピリつく生徒達

    「私どもも皆様のご健闘を心からお祈りしております …さぁお待たせ致しました このバスはたった今…一次試験の会場に到着致しました」

    次回、食戟のソーマ 173 へ!!

    5
      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

    【ネタバレ】食戟のソーマ 171 感想【注意】

    第171話 フォロー ミー

     

    創真の料理を勢いよく完食したえりな

    薊や司の言葉を思い返すえりな

     

    薊「いいかい、えりな 僕が認めるもの、セントラルが創り出すものだけが “料理” だ」

     

    えりな「(いいえ)」

    薊「それ以外の “餌” は学園から排除し、生徒全員を忠実な兵隊へと育てあげる事が遠月を強くする」

     

    えりな「(いいえ…)」

     

    司「セントラルの思想はやがてこの国を覆っていく 日本中の料理店を潰す 仕方ないかな…って思うよ」

     

    えりな「(いいえ…)」

     

    司「進級試験…薊総帥に従おうとしない生徒に関してはどうなるか理解してもらえると思う…」

     

    えりな「(いいえ…!)」

     

    ss171-1

    薊「僕の掲げる “真の美食” こそが絶対の正義なのだ」

     

    えりな「(いいえ!!)」

     

    創真と城一郎「行き着く先がわかってたら楽しくないだろ」

     

    えりな「(お父様 料理人と…料理たちはきっと 自由でありたがっているのですわ)」

     

    手ぬぐいと前掛けを取る創真「へっへっへ〜…どうだった?ゆきひら流とっておきの一品は…!

     

    ss171-2

    さて…そんじゃあ 味の感想をしっかり聞かせてもらおーか薙切ぃ」

    えりな「決めたわ…!」

    創真「…ん?」

    立ち上がって目を大きく見開くえりな「幸平くん!今から私が言うことを実行するのよ!!」

    創真「!?」

    えりな「明日の早朝!極星寮の1年生全員を集合させておいて!そうね…寮の玄関前がいいわ!」

    創真「…おぉ? おぉ…それは別にいーけど味の感想は?」

    どたどたと部屋から急いで出ていくえりな「それじゃあ頼んだわよ!私は今から準備があるから!」

    創真「ちょお!?おいっ、味は!?」

    えりな「それともうひとつ皆に伝えて 先ほど彼らが書いていた実家への手紙、今すぐ処分して結構 とね」

    ぽかーんとする創真

    吉野「…ん?…結局」

    田所「何がどうなったのかな…?」

     

    翌日の早朝…玄関に集められた一同

    タンクトップ姿の青木「おっご…さむっ…!」

    伊武崎「もう暦的には冬だしな…」

    丸井「はぁ…けど寮の朝の空気を吸えるのもあと少しかぁ…」

    佐藤「進級試験…までの命だな」

    丸井「毎朝毎朝 一色先輩に起こされて畑仕事したのもいい思い出だね…」

    青木「あぁ…吉野んとこの鶏の鳴き声とか伊武崎の燻製のにおいで目覚めることももうねぇんだな…」

    田所「それにしても…どうしたんだろうね薙切さん」

    創真「やー なんにも教えてくんなかったんだよなー」

    秘書子「(えりな様…いったい何を…?)」

    そこにえりながやってくる

    吉野「あ…えりなっち!」

    紙を広げ拡声器を片手に話しだすえりな「おっほん ごきげんよう極星寮の各々方 …フン、今日も今日とて見るからに

     

    ss171-3

    しょぼくれた顔をしているわね」

    榊「…えっ…」

    えりな「こんな事では進級試験を受けるまでもなく結果は明らか…今すぐに学園を去った方がいいのではなくて?」

    吉野「な、何よー!だってしょうがないじゃんかー!セントラルに従わない生徒は容赦なくはじかれちゃうんだよー!?

    私達だって…もっとこの学園で自分の料理を…ずっとずっとやってたいよ!なのにそんな言い方することないじゃん…!」

    目に涙を浮かべる吉野

    えりな「…私がこの寮でお世話になって短くない日々が流れました その中であなた達の料理を幾度となく味見してきましたね

    その味は時に突飛で、時に滅茶苦茶で…私は何度叱りつけたことか分かりません!」

    ひとつ息を吸ってから言うえりな「でもあなた方の皿は いつも自由だった」

    一同「え…」

     

    ss171-4

    えりな「けれど今のようなへこたれた気持ちのままではそれを活かすまでもなく首を刎ねられてしまうでしょうね!

    情けない…!本当にそれでいいのかしら!?」

    青木「で、でもそんな事言ったってどうやって試験をクリアすれば…」

    えりな「どうやってもこうやってもありません! “料理” の力で切り抜けるしかないでしょう!!」

    丸井「うおぉ…っ」

    佐藤「なんか幸平みたいな事言い出したな」

     

    ss171-5

    少し嬉しそう?な表情の創真「…」

    嬉しそうな表情の秘書子「えりな様…」

    えりな「もしあなた方に絶対に生き残るという意思があるのなら ”神の舌” にかけて私はあなた方をサポートします!!

    生き残る意思なき者は今すぐここから去りなさい!!そして…その意思ある者だけ私とともに試験へ臨むのよ!!

    さぁ!!あなた方が本当に誇りある料理人ならば…

     

    ss171-6

    私についておいでなさい!!」

    田所「…!!」

    吉野「えりなっちにそんな風に言われたら…」

    青木「引き下がれるわけねぇぜ…!上等だオラ!!」

    一同「2年生になるぞー!!」「おらぁー!!」

    ほっとした様子のえりな

    創真「へへ…薙切はやっぱこうでなきゃなー もっと素直に言えばいいのにツンツン厳しく言っちまうくらいがちょうどいいぜ」

    えりな「…フン 私は思ったままのことを言っただけよ この寮の皆には返さなくてはならない恩義がありますからね

    ( そう…私は教えてもらったわ 私が1歩踏み出す為の大切なことを…あなた方にね …そしてあなた(幸平創真)にも… )」

     

    進級試験の日はすぐそこまで迫っている

    1週間後…戦いの幕が切って落とされるその舞台は

    厳しくも豊かな北の大地…北海道である

    次回、食戟のソーマ 172 へ!!

    5
      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

    【ネタバレ】食戟のソーマ 170 感想【注意】

    第170話 凍っていた想い

     

    “ゆきひら” の料理を今ここで味わわせる…

    えりなにそう言った創真が作ったのは…天丼!!

    創真「できたぜ薙切 おあがりよ」

    えりな「…自信だけはあるようね…では聞きましょうか この私に対していったいどんな品を作ったのか!」

    ニヤッとする創真「お答えするよ…こいつは…

     

    ss170-1

    ゆきひら流 “鶏卵の天ぷら丼” だ!!」

    えりな「鶏卵の…天ぷら!?」

     

    ss170-2

    別室で声のみ聞いている吉野達「(…どうやって揚げたんだ?)」

    榊「生卵を油に入れたところで…天ぷらになるわけないわよね ぐちゃぐちゃになっちゃう…!」

    吉野「そもそも衣がつけらんないじゃん!」

    丸井「まさか殻付きのまま揚げた…!?」

    佐藤「おいおい殻ごとバリバリ食えってかぁ?」

     

    えりな「(い…いったいどういう事!?)」

    箸を入れて割ってみるえりな

     

    ss170-3

    するとそこからはぷるっととした白身、とろぉ…とした黄身が…

    えりな「!!(これは…!!白身だけがわずかに固まりはじめて、そして黄身は見事なまでの半熟!トロトロに仕上がっている…!

    もしや半熟のゆで卵に衣をつけて揚げた…?いいえ!それでは天ぷらにする熱で黄身が固まってしまう どうやってこの料理を!?)」

    創真「へっへっへぇ〜 不思議だろー?気になるだろー?どうやって作ったか!」

    えりな「(くっ…相変わらず腹立たしいわね…!)」

    創真「その種明かしは…こん中を見ればわかるぜ」

     

    ss170-4

    えりな「…これは!?卵が…冷凍庫に!?」

    創真「そ!これは凍らせといた生卵に衣をまとわせて揚げた天ぷら!!そしてそいつを主役にした天丼ってわけだ!

    生卵はビニール袋とかに入れて冷凍する!凍ると中身の体積が膨張して殻が割れちまうからな」

    ※飲み物などの瓶を冷凍庫に入れておくと割れてしまうのと同じ理由

    創真「鶏卵の消費期限は普通、産卵から21日後くらいまでだけど 冷凍すれば大体50日間は日持ちするようになるんだよな〜

    調理手順は…殻をむいたら衣をまとわせてカラッと揚げる

    炊きたてご飯にタレをたっぷりかけて、卵の天ぷらをのっけて

    その上から更にタレをかけて 紫蘇の素揚げを添えて…おわり お手軽なのに美味いんだこれが!

    以上が卵を天ぷらにできた秘密…んまぁとにかく食ってみろよ!冷めたら揚げたてのザクザク感が台無しになっちまうからさ」

    えりな「フン…相変わらずムチャクチャな調理をするわね しかしそんなアイディア料理は私に通用しません

    卵が主役の料理はシンプルだからこそ料理人の腕…そして素材の良し悪しがダイレクトに料理に反映される!

    神の舌へこの品を出した事…後悔しないことね」

     

    青木「おおぉ!えりなっちが食うみたいだぞ」

    丸井「うん…はたしてお眼鏡に適うのだろうか!?」

    榊「…」

    吉野「…?涼子ちゃんどうかした?」

    榊「…いえ…ちょっと気になる事があって…幸平くん…ついこの間まとめ買いしてたのよね、1パック106円の激安特売卵を…」

     

    その時の会話…

    創真「安売りしてたから大量に買っちまったぜ〜」

    榊「そんなに買って使いきれるの?」

    創真「だいじょぶだいじょぶー ちゃんと保存方法考えてるからさー」

     

    それを聞いて慌てる秘書子「マスいぞ…!!えりな様は幼少期から高級かつ厳選された食材にだけ囲まれて育ってきた!

    もし安物の食材を口にしたら、お体にどんな異変をきたすか分かったものではない!!」

    一同「何ー!?」

     

    フーフーしているえりな…今まさに口に入ろうとしている

    吉野「えりなっち食べちゃだめぇー!!」

    ザクッ

     

     

     

    いい音の後、少しの静寂が…

    一同「…?」

    えりな「…君の用意した卵が高級な烏骨鶏卵やブランド卵とも違うことは食べた瞬間に分かったわ…

    これは高級美食とは程遠い一般家庭の食卓で出されるレベルの物…なのに…

     

    ss170-5

    どうしてここまで繊細で深い味わいが生まれているの!?」

    全身ビクビクッ…と感じるえりな

    吉野「おおーっやったぁああ!!」

    榊「特売の卵…なのに!?」

    青木「何をやったんだ幸平ぁ!?」

     

    創真「冷凍することで卵に起きる変化だけど もういっこ言ってない利点があるんだよ」

    えりな「…!?」

    創真「それは…黄身がもつ “風味の濃度” が一段深まることだ」

    えりな「風味の…濃度ですって!?」

    創真「鶏卵は凍らせることによってたんぱく質がぎゅっと固まってゼリー状になる!

    するとモチモチ・プルプル・クリーミーな食感になって、特に黄身の風味とコクがぐっと濃厚になるんだよ

    つまり卵を凍らせる事が この天丼の美味さの最大のポイントなんだ!

    そしてたっぷりかけたのは食事処ゆきひら特製ブレンドのうま味抜群甘辛ダレ!鰹出汁をベースに醤油やみりんで濃いめに作ってある」

    ごくりっ…と唾を飲み込む一同

    創真「これが卵にもご飯にも合わないワケないんだな!ただし…コクの強すぎる高級卵を使えば丼全体がクドくなっちまう」

    ハッとするえりな「まさかそれで…!?」

    創真「そう!冷凍卵の食感・コク、特製ダレの濃厚感 この両方を活かすにはむしろ淡白な卵こそがベストなのさ!」

     

    榊「そっか…!特売卵をチョイスしたのにも理由があったのね!」

    田所「さすが創真くん!」

     

    えりな「…どうして どうして卵を使おうと思ったの…?」

    創真「あん時、お前が出したお題も卵だったからさ 俺達の因縁にケリつけるのにぴったりな品だと思わねーか?」

    えりな「… どうして…」

    創真「ん?」

    えりな「どうしてこんな事を思いつくの…? 卵は鮮度が命という事は常識…

    凍らせるなんて頭に浮かんでも試そうとする料理人など私は知らないわ…!

    それにいかに稀少で良質なものを手に入れられるか苦心するのが普通でしょう?

    なのに…君はなぜ…!どうしてこんな」

    創真「だってその方がおもしれーじゃん」

    止まるえりな

    創真「俺の個人的な意見なんだけどさ

    “正解” ひとつしか知らない奴は “もっとすごいもの” にはたどり着けない気がするんだ

    それになによりも…」

     

    幼少の頃の事が思い浮かぶえりな

    えりな「あの…っ どうして…どうしてこんな組み合わせを思いつくのですか?

    どの皿もものすごく斬新で…奇抜なのに丁寧で…美味しい皿になるってはじめからわかるのですか?」

    城一郎「わかんないよ?」

    えりな「え?」

    城一郎「新しい料理を試す時はいつも確信半分博打半分さ 今日だって何品かは君のお爺さんを実験台にさせてもらったよ」

    仙左衛門「…」

    えりな「なぜそこまでして…」

    城一郎「決まってるさ」

     

    ss170-6

    その時の城一郎と同じ事を言う創真「行き着く先がわかってたら楽しくないだろ」

    えりな「(あぁ…そうだ いま思い出した)」

     

    ss170-7

    丼にがっついてかきこむえりな「(私は そんな料理をしたかったんだ 思い…出した…)」

     

    ss170-8

    完食して箸を置くえりな

    静かに手ぬぐいをほどく創真

    次回、食戟のソーマ 171 へ!!

    5
      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

    【ネタバレ】食戟のソーマ 169 感想【注意】

    第169話 リベンジ

     

    話は少し遡って…秋の選抜の予選前のこと…

    仙左衛門「…来たか城一郎」

    城一郎「おう、元気か?じいさん」

    仙左衛門「極星寮に寄ったそうだな 久しぶりに息子と話せたか」

    城一郎「あぁ今頃、汐見ゼミにスパイスの何たるかを教わりに行ってるはずだぜ」

    仙左衛門「ほほう…秋の選抜に向けてだな? ふふ…幸平創真が作るカレー料理か!今から楽しみだのう」

    城一郎「けっ…いい気なもんだぜ 俺は別に創真を遠月に入れるつもりはなかったんだ あんたがしつこいからよぉ」

    仙左衛門「…して…用件とは何だ? 珍しいではないか、お主の方から直接会おうとは わざわざ日本まで出向くとは一体…」

    城一郎「薊が不穏な動きをみせてる」

    仙左衛門「…確かか」

    城一郎「あぁ、信頼できるスジの情報だ あの野郎ずっとアメリカに本拠地を置いてたのに…ここ数年で急にアジア関連のコネクションを開拓してやがる

    近いうち、遠月に何らかのコンタクトをとってくる事は…簡単に想像できるわな」

    仙左衛門「…えりなの心には…あの男への恐怖が未だ根付いている 奴はそれを利用し、彼女を手中に収めようとするだろう…!なんとか策を講じたいが」

    城一郎「俺らがどう動こうと根本的な解決にはならねぇさ」

    仙左衛門「…!」

    城一郎「あんたの孫娘を本当の意味で救えるのは多分…互いに競い合える同年代の仲間達 創真のいる世代だ」

     

    話は現在へ…

    えりなを探し回る秘書子「えりな様ぁ〜!!」

    吉野「!? どどど…どうしたの秘書子っち!」

    秘書子「秘書子っていうな!えりな様がどこにもいないのだ…!」

    榊「えぇ…?トイレかお風呂じゃないの?」

    秘書子「ぜんぶ探したがどこにもいなかった…!きっともう薊殿の手中に落ちたのだ〜 私がお側についていながら…あぁあ〜!!」

    田所「創真くんの部屋にいるみたいだけど…」

    秘書子「え!?」

    聞き耳を立てる一同

     

    えりな「 “ゆきひら” の料理を今ここで私に味わわせる…ですって…?フン…そんな事をして何になるというの!

     

    ss169-1

    才波様が作って下さった品は…君なんかの料理とは似ても似つかぬ素晴らしいものだったというのに!」

    創真「(お…?さっきまでしおらしかったのに何か元気になったな)」

    えりな「レシピを知っている訳でもないのでしょう?」

    創真「それはそうだけどさ 俺は実家で親父からたっぷり料理を仕込まれたんだぜ?

    そのゆきひらの皿を味わえば…なんか思い出す事があるかもしれねーだろ?

     

    ss169-2

    まぁ見てなよ とびきりの自信作を食わせてやっからさ…へっへへへ…!」

    冷蔵庫を開けて、にたぁ…と笑みを浮かべる創真

     

    ss169-3

    田所達「(あ、ぜったい今ゲテモノ料理に挑む時の顔してるー!!)」

    青木「だ…大丈夫なのか!?」

    伊武崎「いや…大丈夫じゃないだろ…」

    丸井「あぁ…相手は神の舌(ゴッドタン)…! 全人類で最も繊細な味覚の持ち主なんだ

    幸平のギャンブルゲテモノ料理(ハズレ)を食べちゃったら…最悪絶命するんじゃないのか?」

    ぞっとする一同

     

    えりな「ふん…いまいち理解に苦しむけれど…それでどんな品を作るつもりなの」

    創真「天丼だ」

    えりな「天丼…ねぇ…」

    佐藤「おお…普通に幸平らしいメニューだな」

    榊「実家の定食屋でも丼のメニュー出してたって言ってたもんね」

    丸井「でも相手は薙切えりなだよ?神の舌を満足させる品なんて出せるのか…!?」

    吉野「ていうかそれより何より気になるのが…いったい “何の天ぷらか” って事だよね…」

    悪い想像が出てきて静まる一同…

    田所「だ…大丈夫だよ!創真くんはきっと薙切さんに何か伝えたいことがあって…それで料理を作ってあげようとしてるんだもん…だから心配ないよきっと!」

    吉野と榊「恵…

     

    ss169-4

    (いちばん幸平からゲテモノ被害受けてるあんたが言っても説得力ないゼ…)」

    田所「創真くん…」

    秘書子「幸平…」

     

    手際よく調理を進める創真「鰹節よし、揚げ衣も…よし!米もちょうど水に浸しといてラッキーだったぜー

    待ってろよ 超絶うめぇ天丼をお見舞いしてやっからな くくく…」

    えりな「(幸平創真…君は あの日もそんな顔をしていたわね

    VS 十傑第一席・司瑛士…! あまりにも強大な壁に挑んでるというのに

     

    ss169-5

    料理が楽しくて仕方がないという表情…

     

    ss169-6

    私も幼い頃は あんな顔をしていたはずなのに…)」

     

    味見役が始まって…

    周りの大人達の言葉…

    「えりな様は薙切家を背負う責任をお持ちです」

    「自分よりお家 まずお家のことを第一に行動して下さいますよう」

    「あれが?」

    「あぁ、”神の舌” だ 今のうちに媚び売っといた方がいいぞ」

    「生まれた時から一生安泰と決まってるようなものですよ 羨ましい」

    「誰よりも恵まれているのです えりな様はどうかそれをお忘れなく」

     

    アリス「私には夢があるのよっ、えりな!それはね…遠月学園でいちばんの料理人になることよ!

    だいすきな料理をきわめられたら…きっとすっごく楽しいと思うの!従姉妹だからってようしゃはしないわよ!おたがい頑張りましょえりなっ♪」

    浮かない顔のえりな「え、えぇ…そうね

    (ごめんなさいアリス…ほんとうは私 料理することが心からたのしいなんてちっとも思えないのよ)」

     

     

    創真「まぁたしけたツラになってんなぁ薙切 いつもはえらそーなのに時々そういう事あるよなお前ー」

    えりな「な…なによ」

    創真「もっとシャキッとしろよ 何せこちとら…俺らが初めて会った日のリベンジができるってすげぇワクワクしてんだからさっ

     

    ss169-7

    今日こそお前の口からはっきりと “美味い” って言わせてやるよ」

     

    ss169-8

    料理を仕上げる創真「できたぜ薙切 おあがりよ」

    次回、食戟のソーマ 170 へ!!

    5
      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

    【ネタバレ】食戟のソーマ 166 感想【注意】

    第166話 圧倒

     

    えりな「この料理対決…勝利したのは…」

    えりなの手が伸びた皿は…

     

    ss166-1

    えりな「司瑛士の皿…ですわ」

    司「…結果に文句はないよな幸平 俺との力の差わかってくれたって思う」

    秘書子「(幸平の皿も見事というほかなかった…!甘栗と鹿…そして炭火が驚くべき味の世界を創り出していた

    だが司瑛士の皿は 鹿による究極の美味を体現した楽園(エデン)のようだった

    司の品が上である事は揺るがない… でも…でも…くそぉっ!幸平がセントラルに入ってしまうなんて…!!)」


    司「幸平…お前は 俺が扱うには破天荒すぎるな」

    秘書子「え…?」

    司「今日お前の料理を食べてみてそう思ったんだ 懐刀としては制御できそうにないかもしれない

    もしセントラルに招き入れたとしたら…幸平のサポートで助かるどころか心労で倒れる気がするんだよね俺

     

    ss166-2

    指示してないものとか勝手に作りそうだし…」

    秘書子「それは…ちょっとわかります」

    えりな「…」

    司「だから無理にセントラルへ引き入れる事はやめよう」

    えりなと秘書子「!」

    秘書子「よろしいの…ですか…?」

    司「あぁ…そもそもこの対決は食戟ですらないんだからな

     

    ss166-3

    今回は勝負なしということにしようぜ幸平」

    ほっ…とする秘書子

    司「じゃあ俺はこれで…」

    創真「…いや俺の負けっす!」

    創真の方を見る3人

    秘書子「は?ちょっ…!何を言い出すんだ幸平!」

    創真「負けは負けっす悔しいすけど!実力差はハッキリ分かっちまったんで…」

    秘書子「ば…バカを言うな!負けを認めたらセントラルに入ることになるのだぞ!?それでもいいのか!」

    ぶすぅ…としている創真「それは…絶対いやだけどさー…」

    秘書子「ややこしい男だな貴様は!!」

    えりな「情けをおかけになったのですか…?」

    司「情け?なに言ってるんだ、むしろ逆だよ」

    えりな「?」

    司「彼の料理は決してブレないし歪まない たとえ俺がどんなに強制してもね

    だから俺の側に置いておくのは危険だと思った…それだけだ じゃあ僕はもう行くよ

    … “また近いうち” 顔をあわせる事もあると思うけどそれまで元気で」

    えりな「…?」

    去っていく司「(しかし…どこか気にかかるな 今年の1年生たち…)」


    数日後…

    残党狩り2日目、C会場

    セントラル側が勝利を重ねている…

    生徒達「あああ…!担々麺研もやられちまった!!」「これで今日30戦近くやって全敗…!」

    「やっぱりダメだー!!」「セントラルに歯向かうなんて無理に決まってるよぉ!!」

    その時、会場がざわつく

    「おいっ!聞いたか!?」「B会場がすげぇってよ!」「…?何だって…!?」

     

    熊井「うぐ…うがぅうううう…!!」

    大泉ら審査員がおかわりを催促している

    強豪団体を次々と薙ぎ倒してきたセントラルの熊井繁道を圧倒しているのは…

     

    ss166-4

    郷土料理研究会の田所!!

    梁井「ど…どうなってんのよぉぉお!何で1年がこんなに強いわけー!?」

    創真も応援席にいるがぶすぅ…としている

    榊「…幸平くん、この間からなんか不機嫌よね…」

    佐藤「だよな…何かあったのか?」

    創真「がんばれー田所ー」


    梁井「(やばやば激ヤバい…!これ以上ぜったい黒星はとれないのに…)」

    小西「いいぞー!輝いてるぞー!!」

    榊「2人とも…ほんとに凄いわね…!」

     

    ss166-5

    梁井「きぃいっ…!!水戸郁魅!!」

    生徒達「マジか…セントラルの兵隊達とまともに勝負できてやがる…!」「すげぇよ…他の団体はボコボコにやられたのに」

    「どうしてあいつらはあんなに…?」


    田所「(創真くんはたった1人で私達の寮をまもってくれた 私だって…今の自分の場所を…絶対に奪わせないよ!!)」

    にくみは丼研に入れと創真に言われた時の事を思い出してクスッと笑みを浮かべている

    大泉「決まりじゃな…技術…知識…発想(アイディア)!そしてそれ以上に自分達の料理を貫こうとする強い意志を感じた!!判定じゃ!!」

    田所が熊井に勝利して郷土料理研究会、にくみが梁井に勝利して丼研究会が存続を決める!!

    駆け寄る極星寮のメンバー達

    青木「よっしゃー!!やったぜお前ら!セントラルをはねのけたぞー!!」

    ハイタッチする創真と田所

    創真「にくみぃ!にくみもやったなーオイ」

    にくみ「ふ、ふん あたりめぇだろっ…この日の為にみっちり試作してきたんだ 丼研は潰すわけにはいかねぇからな!」

    創真「おうっ、小西サンもいるもんな!あと後輩達の為にもな〜」

    モジモジするにくみ「そ…それも…あるけどよ…」

    創真「?」

    にくみ「あたしに丼研入れって言ったのは…あんただからな だから…みすみすツブさせる訳にはいかねぇからよっ」

    田所「水戸さん…」

    創真「…にくみ… …勝つっていいよな そして負けるって…悔しいよな」

    ため息混じりに言う創真

    にくみ「!? なっ…何で急にへこんでんだ!?」

    創真「…へこんでねーけど別に」

    にくみ「どうみても盛り下がったじゃねーかっ」

     

    ss166-6

    その様子を上の部屋から見ているのは…司と薊

    司「思った通りだ 今年の1年は例年とはなにかが違う 俺にはその中心にいるのが…幸平創真であるように見えます」

    黒木場に負けた楠も同じ様な事を言っていた事を思い返す薊

    薊「ふむ… …まぁいい、手は打ってあるのだから

    彼らが最後まで我々に賛同しなかったとしても 個別に潰すフィールドなら既に用意できている」

    司「えぇ…そうですね」

    薊「次なる闘いのフィールドは学園の外… “進級試験” のはじまりだ」

    次回、食戟のソーマ 167 へ!!

    このページのトップヘ