Stage.76 昨日の敵は今日の師

 

先程モルボルグランに負けた刀太はもう次の試合をしている

uq76-1

対戦相手はランクA、15勝4敗のグロリア・チーフ

古流ボクシング・ダンバの使い手

戦っている刀太「へへっ(この人も強え!)」

グロリアの左手がピクッと動いた次の瞬間、右手のパンチでKOされる刀太

グロリアはこれでSランク2度目の挑戦権までポイントあとわずからしい

10カウントの後、起き上がる刀太「あたた…」

手を貸すグロリア「悪くない動きだった 周りの奴らがお前を話題に出したがるのもわかる」

刀太「はは…どうも」

 

去る道中、惜しかったねと声をかけられる刀太「いやあー完敗ッスよ」

女の選手達「最後のツメが甘いんだよぼーやは」「私に勝っておいて情けないねぇ なぐさめてあげよーか?」

刀太「遠慮しときまっす!」

角の男「惜しかったな だがいい内容だった」

刀太「どもッス!」

カレン「にゃははは あいっかわらず決め手に欠けるにゃー君は」

刀太「いやスンマセンホント」

サクレ「稽古…つけてやる 頼れ…個人指導」

刀太「ハ…どもッス」

カレン「いつでも声かけるにぇー 君は見込みあっから」

サクレ「待つ…」

刀太「おうッサンキュー!カレン・ダさん、サクレ・トさん」

アフロ「なんだぁ刀太 負け続けなのに気に入られてんなぁ」

刀太「負けっぷりがいいんで面白がられてるだけだろ けど…(ツメが甘い…決め手に欠ける…)」

少し考える刀太「やっぱ…必さつ技か」

九郎丸「え、ゴメン今なんて?」

九郎丸に頼む刀太「お前必さつ技的なアレすげぇ持ってるじゃん!?次から次へと技のデパートって感じだし!!」

九郎丸「えぇえ!?」

キリエ「そういえばあれ凄かったわよね なんだっけ?決戦奥義真雷光剣だっけ?」

刀太「ケッセンオウギ!?シンライコウケン!?超カッコいいじゃん!?命名お前!?」

九郎丸「いや…技名は伝統で僕がつけたわけじゃ… …確かに刀太君は飲み込み早いし教える事はできるかも知れない

でもそれでいいの?それで技を覚えたとしても僕以下だ それでヤツを止められる?」

刀太「う…確かに」

九郎丸「僕の流派は数多の状況を生き抜く事を骨子として多くの技を持つ 僕は幼少の頃から鍛錬しているけど…」

刀太「付け焼き刃じゃ意味ねぇ…か」

キリエ「何言ってんのアンタにはその剣があるじゃない その重さ ほとんど必さつ技みたいなもんよ?何で試合で使わないのよ!?」

刀太「いやこいつは俺の力じゃねぇし…その」

キリエ「何その我が儘?ガキ!むのー!」

モルボルグランに相談しに行く刀太

モルボルグラン「必さつ技? うん確かに君のおじいさんの技は凄かった ”雷天大壮” 彼自身が開発したものだよ」

刀太「何か自分を雷にするとかなんとか…」

モルボルグラン「そう、雷光の速度で敵をほふる “雷速瞬動” 掛け値なしの最強技だよ」

刀太「ら…雷速瞬動…?か…かっけぇ」

モルボルグラン「彼はまさに天才だったよ 実際に戦うと悪魔のようだったけどね HAHAHA」

刀太「た…戦ったんスね」

九郎丸「それでその雷天大壮は具体的にどんな技だったんです?」

モルボルグラン「自らの放った魔法を自身に取り込むのさ 闇の魔法(マギア・エレベア)の力でね まあこれは龍宮さんからの受け売りだけど」

刀太「マギア…それって…!」

九郎丸「うん、刀太君のあの力の…」

刀太「てことは…まさか…俺にもその禁断の最強技が使えるってことか…!!」

九郎丸「えっ…」

キリエ「何寝言言ってんのそこのむのー おじーさんパクってんじゃない!!」

刀太「だって最強技だぜー!?それに俺に合ってんじゃん!体質的に!」

キリエ「んもーッ アンタには男としての矜持ってのはないのー!?」

ハッと気付いた九郎丸「ま、待って! だ、ダメだよ刀太君 君には使えない」

刀太「えっ何で?」

九郎丸「君は魔法が使えない」

刀太「あっ…」

モルボルグラン「そうだね 雷天大壮は雷系の最強呪文 “千の雷” を取り込む技だった

彼は優れた戦士である前に優れた魔法使いだったんだよ」

がっくりとする刀太「マジかー…」

三太「あ…すごい凹んだ」

キリエ「ほっときなさいよ ただで最強技手に入れようとかムシが良すぎるのよ」

 

ショッングモールを1人歩く刀太「あ〜…ヤツが言ってた劣化コピーってのはこのことかー」

黒棒「フ…そう腐るな 敵の言葉など鵜呑みにするな まだ君が劣化コピーと決まったわけではあるまい」

刀太「ありがとよ黒棒」

黒棒「やはり君自身の出自をもう少し追った方がいいのではないか?雪姫に直接聞いてみるのが早いと私は思うがね」

刀太「えっ…雪姫…」

黒棒「何だ?いやか?その辺の気持ちの整理はついたのではないのか?」

刀太「いやそれはその… ひっさ…♪」

その時、偶然刀太と雪姫がばったり会ってしまう

雪姫「な…」

刀太「ゆ…き…ひめ?(ってえええ!?何でこんなとこで!?

ししししまったぁああ 必さつ技の事ばっか考えてなんの心の準備もしてなかったぁああっ)

あっと…そのわ…悪ぃ雪姫 その…黙って家出してよ…」

刀太にビンタする雪姫

刀太「な…何すんだよ 謝ってんだろうが!?」

雪姫「この愚か者が!!1人で外をほっつき歩くとは!!何の為に田舎を出て都のアジトに居を移したと思っている!?

その目はなんだ!?◯にかけたと言うではないか!!」

刀太「それは…アンタが何も説明してくれないからだろ 元々賞金首はアンタで 俺は関係なかったハズだ

それが主に狙われてるのは俺じゃねぇか!何でだ?キチッと説明しやがれ 納得できてたらこんなことしねぇっつの!

ちゃんと説明がありゃホラー映画の脇役だって無謀な行動は取らねぇんだよ!!

いやもう聞かせてもらったぜ!俺がじいさんのクローンだって話はな!」

雪姫「! その話どこから…」

刀太「俺を兄さんとか呼ぶテロリストから聞いたぜ 報告書には書かなかったけどな あいつは何なんだよ?説明してくれ!」

雪姫「それは…」

雪姫の後ろにフェイトがいる事に気付いた刀太「(フェイト…何でてめぇが雪姫とショッピング!?)」

雪姫「確かに…お前には話すべきだったのかも知れんな お前には…アジトにおとなしくしていて欲しい

それで…心配はない 全てが終わるまで…それまでは…」

刀太「…ッ 説明も…言い訳もなしか… じいさんへの…義理…だったのか?

俺の面倒見てくれたのは義務感からだったのか?いや違うな 孫でも何でもねぇんだからじいさんでもねぇか

ただのコピーだもんな 俺なんていてもいなくてもどうでもいいようなモンだ!どうでもいいなら勝手にさせてくれ!俺は…」

口ではそう言いながら、心の中では「(違う…そうじゃねぇ!俺が聞きたいのは…)」

雪姫「刀太!!」

uq76-2

再度ビンタしようとする雪姫、その腕を止める女性「そうポンポンガキをはたくもんじゃないよ キティ」

雪姫「きっ貴様は…ダーナ!?」

ダーナ「久しぶりだねぇエヴァンジェリン」

刀太「でっ…デッカいおばさん…」

次の瞬間、刀太を吹き飛ばすダーナ「アンタも男の子がグダグダ言ってんじゃないよ

なかなか面白いねぇこの子 気に入ったよ 私が預からせてもらうけどいいかいキティ?」

uq76-3

 

次回、UQHOLDER! ユーキューホルダー 77 へ!!



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