第132話 僕たちに欠けたもの
ドルイドの聖地にて、無事試練を乗り越えたメリオダス
他のメンバーも修練窟にて鍛錬を始めようとしたその時
先に鍛錬していたヘンドリクセンとわんぱく(オンボロ)3人組が疲れきって出てくる
相当の疲れに彼らは即眠りにつく
ジェンナが彼らに手をかざすと傷が癒え目を覚ます
ギルサンダー「はっ、いつつ…俺達さっきまで修練窟にいたはずなのに…あ…皆さんいつ聖域(イスタール)へ?」
ホーク「…俺があと1歩気付くのに遅れていたら危なかったぜギル坊?」
ギルサンダー「あ…ありがとう え…と、ホーク!」
ホーク「ん?ホーク?」
ギルサンダー「ホ…ホークさん」
キングはヘンドリクセンにくってかかっている「キミにどんな理由があったにせよオイラは許さない!!
オイラの親友に何をしたか覚えているなら当然だろ?」
頭を下げるヘンドリクセン「…返す言葉も弁解するつもりもありません…いずれ報いは受けるつもりです」
キング「いずれ?」
ヘンドリクセン「でも少しだけ待って下さい 十戒の手からリオネスを…ブリタニアを◯守し、友を救い出すその時まで」
キング「…そんなの知ったことか!!」
ジェンナ「話は後にせんか!!さあみんな鍛錬じゃぞ!!」
顔をそらすキング「正直今はそんな気分になれない」
ジェンナ「ま、よかろう もっとも十戒共にはこっちの気分も都合も関係ないじゃろうが」
その時、オスローが姿を現してキングをなめる
キング「オ…オスロー!!オイラについてきたのかい?」
ホーク「頭の悪そうな犬野郎だな」
ジェンナ「黒妖犬(ブラックハウンド)じゃな これは珍しい 絶滅したと思っとったが」
修練窟の入口へと向かう一行
ジェンナ「では鍛錬を望む者は入口に! ああそれから装備品は全て外すようにな」
ゴウセル「全装備解除!!」
ジェンナ「下まで脱がんでいい」
スレイダー「武器も持って入っちゃダメなの?」
ジェンナ「己に潜在する力をより感じ、引き出す為には裸になるのが1番なんじゃ…とはいえ最低限のモノは必要じゃからな」
そう言って木の棒を皆に渡すジェンナ「トネリコの枝を魔力で保護しただけのものじゃが頑強さは折り紙つきじゃよ 全員用意はいいな?」
スレイダー「腕が鳴るわ〜」
ギルサンダー「ハウザーもグリアモールもまだやる気か?」
ハウザー「当然だろ」
グリアモール「お前達2人には負けん!!」
アーサー「マーリンはやらないの?」
マーリン「仕方あるまい 今の私は霊体にすぎんからな」
ゴウセル「怪しい」
ホーク「おい犬野郎!素人の分際で無茶したらケガすんぜ?」
オスロー「バッフォ(おいしそう)」
ジェンナ「では中に進むがよい 入れば自動的に始まる!」
先頭をいくホーク「よーしみんな俺についてこい!!はぐれんなよ!!」
スレイダー「中は本当に真っ暗ね…」
ホーク「フッフッフッ どんな鍛錬だろうとこのホーク様の前には児戯も同然よ…!!そうだろう豚野郎共?」
そう言って振り返るホークだが真っ暗で皆の声もしない
ホーク「みっ…みみみみんなどこよ!?俺を1人置き去りにするなんて酷ぇじゃねぇか〜!!プゴ〜ッ」
その時、光が見えたのでそこへと走るホーク「みんなあそこか!!待ってくれよ〜!!」
場面は変わってギルサンダーとハウザー
ハウザー「なんだギル また一緒の組か」
ギルサンダー「それはこっちの台詞だハウザー」
目の前には色んな石が浮かんでいる
ハウザー「そんで…女神の琥珀だっけ?この中から1つを選ぶんだったな…」
ジェンナの声がする「お主たちは仲が良いの〜 もちろんどれでもまた好きに選んでくれてもよいし
さっきお主たちをボロ雑巾にした同じものでよければ出してやってもよい」
ギルサンダー「お願いします!!」
ハウザー「マジかギル!?」
ジェンナ「いいのか?もっと控えめな奴を選んでもいいんじゃぞ」
ギルサンダー「それでは何の意味もありません」
ジェンナ「よう言った さすがはリオネスの聖騎士じゃな」
1つの石が割れ、怪物が現れる
ギルサンダー「来るぞ!!」
ハウザー「イキナリかよ…!?」
飛び上がる怪物
ギルサンダーが雷帝の鉄槌を放つが怪物には全然効かない様子
続いてハウザーがライジングトルネードを放つがこれも全く効かず落ちてくる怪物
かわす2人
ハウザー「やっぱ強ぇ!!泥土竜(クレイドラゴン)だっけ? 雷もたいして効かねえ上に風じゃびくともしねぇ重さ…
こんな棒きれの出力じゃ勝ち目ねえぞ!!もっとまともな武器じゃなきゃ…」
地面に潜るクレイドラゴン
ギルサンダー「それじゃ鍛錬の意味がないだろ!!」
ハウザー「じゃあどうやって勝てってーのよ!?」
ギルサンダー「少なくともいつもと同じ戦い方では勝てない…!!」
ハウザー「なんの答えにもなってねぇし!!こうなったらヤケクソだ!!」
ギルサンダー「バカ!!そのせいでさっきはボロ負けしたんだぞ!!」
ハウザー「真面目に考えたって勝ち目ねぇだろアホ!!」
ギルサンダー「お前が堅ブツすぎんの!!」
顔を見合わせて言い合う2人
幼少の頃の事がよぎるギルサンダー
メリオダスに稽古を見てもらっているギルサンダー
メリオダス「ギル坊よ お前堅物すぎるぞ」
頭にたんこぶで涙目のギルサンダー「ひ…ひどいよぉメリオダスさん!!剣の勝負中に石を投げるなんて…!!」
メリオダス「いいかね少年?」
ギルサンダー「は…はい」
ギルサンダーの頭を叩き、たんこぶの上にたんこぶを重ねるメリオダス「…というふうにだな
話をしている最中いきなり不意をつかれるかもしれん お前が正しく剣を構えているところで弓矢で攻撃してくるかもしれん
お前1人に対して何人…いや何匹で襲ってくるかも分からん どんな大きさかも分からん それが実戦ってもんさ
正しい剣技を学ぶのもいいけど型通りだけじゃ強くなれねぇぞ もっと頭を柔軟にしろ」
ギルサンダー「柔軟って…どうすればいいんですか…?」
メリオダス「ハウザーでも見習え」
その辺の木を吹き飛ばしているハウザー「必さつグルグルタイフーン!!」
ギルサンダー「え〜〜」
ハウザーにゲンコツするドレファス「また植え込みを荒らしおって」
回想終わり、口元で笑うギルサンダー「フッ」
ハウザーも同様に過去の事が頭によぎっていた
ドレファス「ハウザー いい加減すぎるぞ」
ハウザー「ドレファス様 ただ型通りの剣の練習なんてつまんないスよ〜 要は戦いに勝ちゃいいんでしょ〜?
俺、下町じゃケンカに負けたことないから」
ドレファス「なるほど ではこの私と勝負して勝つ事ができるか?」
ハウザー「ム…無理無理!!敵いっこないに決まってんでしょ!!」
ドレファス「ならばハウザー お前は実戦で自分が勝てそうな相手だけをいちいち選ぶのか?
お前は弱い者イジメは大嫌いだったんじゃなかったのか?」
核心をついたその言葉はグサグサッとハウザーにささる
ドレファス「いいかハウザー 己より強い相手にただがむしゃらに突っ込めば負けは目に見えている
万が一にも勝機を掴むにはまず冷静に考える頭と正しい型を覚える事が大事なんだ
お前の父親は鍛冶屋だったな…?熱く焼けた鉄を何度も何度も正確に打つ事で強い剣を鍛えるのだろう?
ギルサンダーを見てみろ 毎日ああして同じ練習を繰り返す事で確実に腕を上げている」
ギルサンダーは素振りをしている「995、996」
ハウザー「へっ、ギルは頭が堅いからな〜」
またもゲンコツされるハウザー「いてっ!!」
回想終わり、ハウザーもニヤッと笑う「へっ」
突っ込んでくるクレイドラゴンをガードする2人
ギルサンダー「ハウザーいいか?少し試してみたい事があるんだ…」
ハウザー「そりゃ奇遇だな 俺もだ!!」
ジェンナとマーリンはその様子を見ている
ジェンナ「ほ〜?さすが2回目ともなると少しは摑めてくるか…」
マーリン「ギルサンダーにハウザーか…おもしろいなこの2人… 闘級に変化が生じ始めた」
次回、七つの大罪 133 へ!!
第133話 あせりと不安