痛い話 ブログ

いろんな話題を勝手に収集しまくるブログ。おもしろい、たのしい、痛い、めずらしい、注目されている、されていないを関係なくまとめてます。

    ニセコイ

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    【ネタバレ】ニセコイ 218 感想【注意】

    第218話 ナンダカ

     

    天駒高原に到着した千棘「…ここが天駒高原… …不思議

    全然覚えてるわけじゃないのに どこか懐かしい気分になる…

    (…ここが私達の出会った場所… 私と楽と小咲ちゃんと万里花に羽さん そして…私達が何か “大切な約束” をした所…


    …とはいえあんまし実感湧かないんだけどね 覚えてない事の方が多いんだから仕方ないんだけど…

    ここで何か思い出せるか分からないけどとりあえず色々調べてみないと 何かきっかけがあるかもしれないし…)」

     

    場面は楽の家

    準備を終え、出発しようとする楽

    そこへ走ってやってくる羽「…楽ちゃあ〜ん!千棘ちゃんの居場所が分かったってホント!?」

    楽「羽姉」

    天駒高原にいると話した楽

    羽「…そっかぁ天駒高原に…とゆうことは10年前の…」

    楽「多分な あいつが今、何を考えてんのかは分かんねぇけどとにかく今から行ってみるよ かなり遠いから帰りは明日になると思う」

    羽「分かった 気をつけて行ってきてね

    う〜夏期講習さえ無ければ私も付いて行くんだけど〜…」

    楽「仕方ねェだろ 羽姉は社会人として働いてんだから

    心配すんなって 今度こそあいつを取っ捕まえて色々聞いてくっから 羽姉の分も叱っといてやるよ」

    羽「…ねえ楽ちゃん もしかして “決めた” の…?」

    楽「…? あ」

     

    以前、羽に言われた事を思い出した楽

    “楽ちゃんが自分にとって1番大切な人をちゃんと決めたら その時は私の知ってる事を全部教えてあげる”

     

    楽「…ああ、決めた」

    羽「…うん…そっか… なら私も約束を守らないとね 10年前の話…聞いていく?」

    楽「…いややめとくよ 羽姉の言う通り、大切なのは今のオレの気持ちだろ?それでももし知りたくなったらその時改めて聞きにくるよ」

    羽「…そっか… …楽ちゃん、ちょっとペンダント貸して」

    ペンダントを受け取った羽は夜を呼ぶ

    すぐさま現れた夜「了解」

     

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    そして目にも止まらぬ速さでペンダントを…

    すると鍵穴から星形の鍵先が出てくる

    楽「!!」

     

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    先の折れた自分の鍵と合わせる羽「…これがペンダントに詰まっていた物の正体」

    楽「…」


    羽「…覚えてないのも無理ないね コレ、楽ちゃんの友達が興味本位で開けようとしてこうなっちゃったの 当時は楽ちゃんと大泣きしてたんだけど

    楽ちゃんが誰か大切な人を決めるなら過去を計算に入れて欲しくなくて黙ってたの

    決めるなら本当に今、大切に想っているかで決めて欲しかった だから楽ちゃんが忘れてるなら黙ってようと思って…

     

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    ううん違うか 本当は 私の事を選んで欲しくて黙ってただけかもしれない…

    その点はきっと万里花ちゃんも同じ気持ちだったんだろうなぁ…」

    楽「…」

    羽「ほ〜ら何て顔してるの!?私の事はもう気にしないって決めたでしょ!

    ともかくこれでそのペンダントは本物の鍵さえ刺せば開くようになったわ ちなみに中に何が入ってるかまでは私も知らない

    何が入っているのか 誰が約束の相手なのか 後は楽ちゃん次第…かな

    それじゃあ行ってらっしゃい楽ちゃん たった1人の姉として遠くから応援してるわ 頑張ってね」

    楽「…おう、ありがとな羽姉 行ってくる!」

     

    出発する楽を見送った羽

    夜「これでようやく終わりか?首領羽」

    羽「…うん そうだね ようやく本当に…」

    空を見上げる羽「…頑張れ楽ちゃん 大好きだよ」

     

    日は暮れていき…到着した楽・小咲・集・るりの4人

    楽「新幹線に電車にバスだからな すっかり暗くなっちまった」


    集「ここが約束の大地かぁ…暗くて何も見えん!!」

    楽「真面目にやれよ集 観光に来たんじゃねぇんだから」

    るり「さっきそこの宿泊施設で聞き込みした感じだとやっぱりここに来てるみたいよ さっき外で見かけたって人が数人いたわ」

    小咲「千棘ちゃん目立つからねぇ 美人でハーフで金髪でリボン…」


    楽「とにかくこの山のどっかにいるのは間違いねぇってことだな」

    るり「とはいえこの辺の山一帯でしょう?この人数で見つけられるかしら…」

    楽「ここまで来ちまったんだ、やるしかねぇだろ 手分けして探そうぜ

    もう夜だし4手に分かれるってのも危ねーよな 2人ずつで2手に分かれて探すか」

    集「! はいはーい!では僕はるりちゃんと一緒に探そうかな!るりちゃんも僕と一緒だと嬉しいでしょ〜!」

    るり「そうねそうしましょうか」

    集「あの…最近丸くなってませんか?」

    るり「何の話?」

    楽「じゃあオレは小野寺とだな、行こーぜ小野寺!」

    小咲「うん!」

     

    2手に分かれて探し始める一同

    小咲「…やっぱりダメ 千棘ちゃん電話出ないや」

    楽「つーか電波が無いんだな 本人を直接見つけ出すしかねぇってことか

    地図によると何本か遊歩道があるみてぇだからそれにそって探そう ダメなら1度戻って合流して集達と相談だ」

    小咲「分かった

     

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    (…なんだろう 気のせいかもしれないけど 一条君の表情どこか…)」

    楽「ん?心配か?小野寺 大丈夫、絶対見つかるって 今度こそ捕まえて心配かけたこと謝らせてやろーぜ!」

    小咲「え ああうん… …ねぇ一条君 その…」

    その時、小咲の目に人影が映る…

    小咲「待って一条君あそこ…!」

    楽「え!?まさかもう見つけ…!!」

    そこに立っていたのは…クロード

    楽「…メガネ!?なんであいつがこんなとこ…」

    小咲「あの人って…確か千棘ちゃん家の偉い人だよね?どうしてここに…」

    楽「…小野寺 悪い、ちょっと先に行ってて貰えるか?」

    小咲「え!!で…でも…大丈夫なの!?あの人すっごく恐い人なんでしょ!?もし危ない目にあったら…」

    楽「大丈夫だよ、ちょっと話すだけだって あいつが用があるのは多分オレだけだ 話が済んだらすぐ追いつくよ、本当だ」

    小咲「…本当に危ないことしない?」

    楽「しないしない それに2人で足止めくって結局千棘に会えなかったらここまで来た意味ないだろ?1人にさせて悪いけど頼むって」

    小咲「…分かっ…た…」

    心配そうな表情のまま先に走り出す小咲

    クロード「…逃げ出さんとは殊勝だな」

    楽「…どうしてあんたがここに?」

    クロード「…知れた事 貴様をお嬢に会わせんようにする為だ」

    楽「…あんたは千棘がいなくなった理由を知ってんのか?」

    クロード「それを教えると思うのか?」

    楽「…悪いけどオレはどうしても千棘に会わなきゃならねぇ そこを通しちゃくんねぇか?」

    クロード「それは無理な相談だな 今ならまだ痛い目を見ずに済むぞ小僧

    そもそも貴様は何のつもりでここまで来た?お嬢の友人としてか?それとも “ニセモノの恋人” としてか?」

    驚く楽

    クロード「何を驚く、私が知らんとでも思ったか?私を甘く見るな

    私は以前から誠士郎に貴様の事を調べさせていたが奴には甘い所があるからな 私は私で独自のルートで貴様の事を調べていたのだ

    だが勘違いするな、今更ニセモノの恋人だった事を咎めるつもりはない 問題はもっと別にある…

    他にも色々知っているぞ?貴様が身の程知らずにもお嬢ともう1人の女との間で揺れている事とかな」

    楽「(そんな事まで!?)」

    クロード「(そしてお嬢が貴様の元から離れた理由も…

    お嬢には酷なことだが お嬢にはこのまま失恋したと思い込んで頂いていた方がいいだろう

    こいつがどちらを選ぶつもりなのかは知らんがお嬢に会わせる事でもしもがあってはイカン

    お嬢がどれ程このガキの事を好いていようと私は認めん…!!こんな男がお嬢にふさわしいわけが無い…!!)」

    楽に銃を向けるクロード「貴様をお嬢に会わせるつもりはない、帰れ そして2度と近づくな」

    楽「…そう言われて、はいそうですかって帰れるかよ オレはあいつと会って話すまで絶対に諦めねぇ…!!」

    引き金にかけた指に力を入れようとするクロード「…そうか ならば今ここで…」

    その時!!

     

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    楽の前にやってきた鶇「お待ち下さいクロード様!!」

    次回、ニセコイ 219 へ!!


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    【ネタバレ】ニセコイ 217 感想【注意】

    第217話 キマッタ

     

    楽の母の家を後にする千棘

    楽の母「今日は来てくれてありがとう、またお話しましょう

    私はいつもどこにいるか分からないからまた連絡して下さいね」


    千棘「はい!ぜひまた!」

    楽の母「…行ってみるんですか?あの場所へ…」

    千棘「…はい 何か思い出せるか分からないですけど やっぱり私、何があったのか知りたいので…

    バイバイ楽のお母さん!またいつか!」

    去っていく千棘

     

    千棘を見送る楽の母「…素直で、素敵な女の子に育ちましたね あんな子に想われるだなんて楽ったら幸せ者なんだから

    …ごめんなさい千棘ちゃん 私、1つウソつきました

    本当は楽自身も覚えていないようだけど 楽は当時、私に その約束について語ってくれた事がある

    …でもそれを私が教えても意味がないから 真実は時に過去の幻想を打ち砕いてしまう

    それでも真実を知りたいと言うのなら 自分の目で確かめなければ…

    たとえ傷つくことになろうとも…」

     

    場面は変わって日本へ

     

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    集「よ〜楽!相変わらず辛気臭い顔してんな〜 元気?」

    楽「…」

    集「まったく世間は今、夏休みなんだぞぅ?もっと景気の良い顔してなよぉ

    その上オレ達にとっちゃあ高校最後の夏…!ちゃ〜んと楽しまないと損だぜ?」

    楽「…お前なぁ…ちゃんと現状わかってんのか?この状況でヘラヘラしてられるわけ…」

    集「つっても今は打つ手も無いし実際待つしかないわけだろ?だったらもう少し気楽にしてたって良いんじゃないかって話

    まぁ楽には無理だって分かってるけどね」

    持ってきた缶ジュースを楽に渡す集

    集「それに楽がそんな顔してんのも今に始まった事じゃないし 3年になってからずっとだ

    桐崎さんがいなくなる前からおんなじ顔してるよ」

    楽「…確かに 向こうで会った時、千棘のやつ案外元気そうだったしな

    結局はあの2人のどちらを選べばいいのか それが分からなくてずっとオレは…

    …ずっと考えてるんだ 2人を好きだって気付いた日からずっと… ずっとずっとずっとずー…っと

    なのに…答えが出ねぇ 大切だから…真剣だから… 決めなきゃいけねぇのは分かってんのに どうしても分からねぇんだ…」

    集「…まぁ楽達も長いからな 小野寺は言わずもがなだけど 桐崎さんも

    こればっかりは楽の問題だからなぁ オレには頑張れとしか言えないよ」

    楽「…」

    集「…でもそうだな 気休めになるか分かんねぇけど

    オレが昔聞いた、誰に恋をしているのか分かる方法を教えてやるよ」

    楽「? なんだよそりゃ」


    集「想像してみてくれ 虹を見つけた時」

    楽「…? 想像してみたけど…なんだ?」

    集「まぁまぁ、まだ続きがあるから

    流れ星を見つけた時 近所にお気に入りの店を見つけた時

    レジで貰ったおつりが777円だったりとか 楽なら茶柱を見つけた時とかでもいいかもな」

    楽「???」

    集「きれいな夕焼けを見つけた時や好みの音楽に出会えた時とか ちょっとしたクジでそこそこの物が当たるとか

    そんな日常の中のふとした時…小さな幸せやラッキーに出会った時に…

    真っ先にそれを教えてあげたくなる相手は誰だ? 誰の顔が浮かぶ…?

    楽、お前はどっちの顔が浮かんだんだ?」

     

    ni217-2

     

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    目を見開く楽「(そうかオレは…)」

    集「? …どうした楽?とうとう選ぶ相手が決まったのか?」

    楽「…ああ決まった」

    固まる集「…へ?」


    楽「ようやく自分の中で答えが出たよ オレがこの先どっちと一緒に居たいのか、ようやく分かった」

    集「え…ええと楽…? オレが言うのもなんだけど…本当にその相手でいいのか?こんなことで決まっちまって…」

    楽「ん?ああ… 大丈夫だよ 確かにさっき浮かんだ相手がそうだけど 別にその事だけで決めたわけじゃねぇ

    今まで色々考えて来たことが今回のでうまく噛み合った、そんだけだ 良いきっかけをくれてサンキューな」


    その時、楽の携帯が鳴る

    電話の相手は華「こんにちはぼうや、元気にしてる?」

    楽「華さん!?」

    華「千棘の居場所が分かったから教えてあげようと思ってね 知りたいでしょ?」

    楽に伝え終えた華「(さぁもう逃げるのはお終いよ千棘 向き合わなければ何も進まない あとは答えは自分で見つけなさい)」

     

    集「天駒高原…そこが例の楽達が小さい頃出会って約束したっていう場所か…」

    楽「ああ、千棘の奴は今そこへ向かってるらしい」

    集「約束の地…なんだか最終決戦にふさわしそうな場所だな」

    楽「バカ言ってんな 急がねーとまた逃げられちまうっつーの」

    集「…告白すんの? 決めたんだろ?」

    楽「…ああ決めた でも告白とかそういうのは一旦ナシだ、まずは千棘の事なんとかしねぇとな それが解決したら告白するよ」

    集「…なるほどね 国内ならオレも一緒に行けるな、応援は多い方が良いだろうし単純にその場所に興味もあるしな」

    楽「助かる オレもすぐ小野寺に連絡入れるよ あとは…」

    鶇に電話する楽

    鶇「何!?お嬢の行き先が分かった!?」

    楽「お前今どこにいるんだ?」

    鶇「南極のアムンゼン・スコット基地だ」

    楽「へぇー…南極!?なんで!?」

    鶇「その場所なら1度調べた事がある 時間は少しかかるが必ず行く、現地で落ち合おう!」

    楽「了解!

    よし、じゃあ各自準備を済ませたら集合してすぎに向かおうぜ ここを逃したらあいつ次はどこ行くのか分かんねぇしな」

    集「おう!」

    去っていく楽「またあとでな!」

    集「(ようやくいつもの楽が戻ってきたって感じだね…)

    約束の場所かぁ こりゃホントに何か起きそうな予感 見逃すわけにや参りませんな

    とりあえずいつもの様に報告報告♡」

    その相手は…

    万里花「…あらどうも いつも報告ありがとうございます

    …ほう、とうとう楽様があの場所へ?それは見過ごすわけにはいきませんね…」

    電話を切る万里花「…天駒高原…懐かしい響きですわね 来るべき時が来たという事でしょうか

     

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    私も色々と残して来た物を片付けに行きませんと… …曜子、私の最後のわがまま聞いて下さいますか?」

    うなずく本田

     

    そして…

    千棘「…ここが天駒高原…」

    次回、ニセコイ 218 へ!!


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    【ネタバレ】ニセコイ 216 感想【注意】

    第216話 シンソウ

     

    あの絵本の作者が楽の母ということを華から聞いて驚く千棘

    千棘「それ…どういう事!?それに…どうしてママがそんな事知って…」

    華「どうしてって…だってあの絵本は私が彼女から直接貰ったんですもの

    言ってなかったかしら 私とぼうやのお母さんは高校の頃の同級生なのよ」

    千棘「ええ!?そうなの!?」

    華「更に言うと、あなたの友達の小咲ちゃんと万里花ちゃんのお母さんも皆同級生よ ちなみに皆同じクラス」

    千棘「えええええええ 何ソレ全部初耳なんだけど…!!」

    華「そうだったかしら とにかく会ってみたいなら会わせてあげられるわよ?何かヒントを得られる保障はないけれど」

    千棘「(…驚いた 同級生だった話もそうだけど、まさか絵本の作者が楽のお母さんだったなんて…

    この事、楽も知らなかったってことかしら… …ん!?でもちょっと待って

     

    ni216-1

    楽は前に…約束の女の子と初めて出会ったのは丘の上でその子が絵本を読んでる時だったって言ってたはず

    なら…ママがその絵本を直接貰ったって事は…私が楽の約束の…?)」

    少しだけ頬を染めた千棘だったが冷静に考え続ける…

    千棘「(いや…まだそうとは限らない だって今現在、絵本は小咲ちゃんが持っていて

    小咲ちゃんのお母さんは絵本は人から貰ったって言ってた つまり…私が小咲ちゃんにあげたって事になる

    私が楽と出会う前に小咲ちゃんに会ってて絵本をあげてたとしたら…)」

    華「…どうする?会いに行ってみる?」

    千棘「…うん 行ってみる…!」

     

    場面は変わって、帰国した楽と小咲は秘密の場所で話している

    楽「…結局…空振りに終わっちまったな… わざわざアメリカまで行って収穫が一目顔を見た程度…

    もう1度アメリカ行くような金なんてねぇし あのバカ…こっちがどれだけ心配してると思って…

    わりぃな小野寺 せっかく付いてきてもらったのに一言も話せずじまいで…」

    ビクッとする小咲「え!?ああうん仕方ないよ、気にしないで」

    千棘に言われた「…ごめん」という言葉を思い出す小咲

    小咲「(…確信はすでにあった でも…やっぱりそうなんだね 千棘ちゃんは…一条君のこと…

    どうして…逃げちゃったの千棘ちゃん 嫌だよ…こんな…譲って貰うような事されても嬉しくないよ…

    同じ人を好きになる それは確かに辛いけど… 千棘ちゃんも もう顔も合わせられないくらい好きだったんでしょ…?

    もしどちらかが結ばれるとしてもちゃんと納得して結ばれたい 千棘ちゃんもきっと同じように考えてくれると思ったのに…

    …何かそう出来ない理由があるの? 教えてよ…千棘ちゃん…

    やっぱり…もう1度千棘ちゃんと話したい 会って話をして どうするのか…どうしたいのか聞いてみたい

    そうしないと… 私達は…)

    …もう少し 待ってみよう きっと千棘ちゃんは帰ってくるよ

    今は何か事情があって気持ちが落ちつかないだけなんじゃないかな だから信じよう

    きっとまた会えるチャンスが来るから それまでは…ね?」

    楽「…ああ…そうだな」

    小咲「(…もし 千棘ちゃんがこのまま戻って来ないつもりなら その時は…)

    …私は いなくなったりしないよ」

    楽「…え?」

     

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    楽の手を握る小咲「ずっとずっと側にいる だから…」

    楽「…小野寺…?」

    手を離す小咲「ううん 何でもない

    もし千棘ちゃんから連絡があったら教えて またね一条君」

    そう言って去っていく小咲

     

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    場面は変わってどこかの国…

    キャリーバッグを転がして歩く千棘

    とある家の前に着いた千棘は深呼吸をしてからノックする

    扉が開く

    千棘「あ…あの!桐崎華の紹介で来ました桐崎千棘です!楽の…一条君のお母さんですか…?」

     

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    楽の母「久しぶりですね千棘ちゃん 会えて嬉しいわ」

    中に入る千棘

    お茶をいれる楽の母「あれからもう10年以上も経つんですねぇ 千棘ちゃんもすっかり大きくなって 時が経つのは早いものです」

    千棘「(この人が…楽のお母さん…とってもキレイで…なんだか不思議な雰囲気を持った人…)」

    楽の母「華ちゃんから大まかないきさつは聞いてます あの絵本についてですよね? 確かにあれは私が描いた物です

    まだ学生の頃…初めて描き上げて本にした作品なんです

    私は今、絵本作家として活動していまして 世界各地を転々としながら絵本を執筆しているんです」

    千棘「! そうだったんですか!?楽からはそんな話1度も…!」

    楽の母「楽にはあまり仕事のことを話した事がありませんから…

    楽が中学を卒業して、家の事を任せられるようになってからずっとこの調子で…家にもほとんど帰ったことが無いくらい…」

    千棘「(う〜ん…ウチのママとは違った意味で凄い人だなぁ)」

    楽の母「…元々あの絵本を描こうと思ったきっかけはロミオとジュリエットでした

    あの物語…最後に2人は悲劇的な◯を遂げて終わってしまうでしょう?私、どうにかあの結末に幸せな続きを作ってあげたくて…

    千棘ちゃんは絵本のラストを覚えていないんですよね?

    言ってしまうと あの本の結末は王子様も結局◯んでしまうのだけど天国で幸せに暮らすという内容なんです

    ですがどういうわけか あの絵本が巡り巡って楽の手に渡り、結末を書き変えてしまった

    その内容を見せて貰ったのですが 王子様と王女様が “生きて” 結ばれて幸せに暮らすよう変えられていました

    その書き変え方がなんとも強引で微笑ましくて…子供って純粋ですね 確かに◯んで結ばれるより生きて結ばれる方が幸せですもの

    それ以降、私の描く本の結末は全てハッピーエンドになりまして おかげで本が売れるようになりました

    あの子には感謝しなくてはいけません」

    そう言って自分の本のよく売れてるラインナップを広げて見せる楽の母

    千棘「(掴み所の無い人だなぁ…)

    …そういえばあの本のタイトルって何て言うんですか? 私達が見つけた時には読めないようになってて…」

    楽の母「え? …あー…」

    千棘「…?」

    楽の母「…フフごめんなさい 実はそれを語るのは私にとっては少々恥なんです…」

    千棘「恥…?」

    楽の母「あの本のタイトルは “ザクシャインラブ” といいます そのままですね

    この “ザクシャ” という言葉…どこの国の言葉かご存じですか?」

    千棘「はい…!私達も調べました!ポーランド語です…!

    でも “インラブ” の部分は普通に英語で どうしてこんな組み合わせなのかずっと疑問に思っていて…」

    楽の母「フフ…説明します あの絵本の中に “錠” と “鍵” というアイテムが出てきますよね?

    恋人達が “錠” と “鍵” で愛を誓うという風習は実は世界中にあります

    ただ私が最初にそれに触れたのがポーランドにあるトゥムスキ橋にある伝説だったんです

    別名 “愛の橋” とも呼ばれるその橋では、恋人達が2人の名前を書いた錠を橋の欄干に付け鍵を川へ投げ入れると永遠に結ばれると言われています

    私はその話が好きで そのまま絵本に登場させたんです

    するとセリフの中にもポーランドの言葉を使いたくなって 慣れない手付きでパソコンで翻訳をしたんです そしたら…」

     

    ni216-5

    千棘「…それって…」

    楽の母「そう…ただの翻訳ミス 当時はまだ翻訳機の精度が低かったんです

    私が間違いに気付いたのは全てを描き終えた後… 華ちゃんがそれを教えてくれて…

    私は恥ずかしさの余り、自らタイトルを削ってしまったんです でも華ちゃんに “勿体ないからいらないならよこせ” と言われて…」

    プッ…

    吹き出して笑い出す千棘

    楽の母も優しく微笑む

    楽の母「…でも そうして生まれたこの絵本が千棘ちゃんに読まれ、楽や小咲ちゃんに読んで貰って

    巡り巡ってあなたをここに連れてきてくれた…不思議なものですね

    ただ…これがこの絵本の真実…真実は時に過去の幻想を打ち砕いてしまいます …がっかりしてしまいましたか?」

    千棘「…とんでもないです 素敵な話が聞けて良かったです」

    楽の母「…あなた達はこの絵本になぞらえて約束を交わしたそうですが 子供達の間でだけ交わされた約束は私にも分かりません

    役に立てなくて残念ですけど…」

    千棘「いいえそんなこと!本当にありがとうございました!」

    楽の母「…もしまだあの時のヒントを求めたいのなら あそこへ行ってみるといいかもしれません 場所を教えてあげます

     

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    …12年前 千棘ちゃんや楽達が出会った場所 天駒(てんく)高原へ…」

    次回、ニセコイ 217 へ!!

     

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    ※以下感想です※

    前回は…千棘に会いにアメリカの華の会社まで来た楽と小咲

    偶然2人を受付で見て気付いた千棘がアメリカを逃げ回るが…いつものように?ニアミスしまくり…

    最終的に会ってしまう…というお決まりの展開…

    そして楽をかわした千棘と小咲の2人きりの時間と会話がありました

    小咲が今の気持ちをぶつけましたが、千棘はいつもみたいにはぐらかし…最後は

    小咲「…逃げないでよ」

    千棘「…ごめん」

    という感じで終わりました

    そして1人悩み考える千棘のところに華が来て、あの絵本の作者が楽の母親!!…ということを聞かされたところで前回が終わっての今回ですが…

    早速、楽の母に会いに行った千棘のおかげで絵本のことが詳しく分かりました

    ま!もちろん約束の方に関しては何も分からずじまいだったんですけどね笑

    そして最後、顔が出ないままの楽の母が提案してくれたのは…12年前に千棘や楽達が出会った場所「天駒(てんく)高原」…

    その場所には何かヒントが残されているんでしょうか…それこそ思いつかないなぁ…

    そして帰国した楽と小咲ですが…

    小咲…最近攻勢に出てますね…!!

    しかし今回の言葉「…私はいなくなったりしないよ ずっとずっと側にいる だから…」

    しかも手を握ってですよ…

    まあ当然のように楽は何も気付かないんでしょうけど…笑

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    【ネタバレ】ニセコイ 215 感想【注意】

    第215話 スキナノ

     ad

    話は少し遡って…

    屋上で2人で話す楽と小咲

    そこに千棘の父アーデルトから電話がかかってくる

    アーデルト「千棘は今、ニューヨークにいるよ そこに華のグループの本社があってね

    あの子が会ってくれるか分からないけど それでも行くかい?」

    楽「…はい あいつが今何を考えてんのか分かんないですけど 会ってみないと何にも分かりません

    とにかく会いに行ってみます」

    電話を切る楽

    小咲「千棘ちゃん、お母さんの所に行ってたんだ」

    楽「ああ、日本で探しても見つからないわけだ とりあえず居所は分かった、でも今回は皆で行くわけにも行かなそうだな

    交通費もかかりすぎるし、ひとまずオレだけ会いに行って話してくるよ 何かあったらすぐ連絡すっから」

    小咲「…」

    楽「あ、そうだ つぐみにも知らせといてやらねーと…」

     

    ni215-1

    小咲「いっ…一条君…!私も行く…!!」

     

    話は現在へ

    ニューヨークの華の会社に行って受付の人に取り次いでもらう楽と小咲

    受付「…ではあちらでお待ち下さい」

    楽「…大丈夫か小野寺 疲れてねーか?」

    小咲「大丈夫、こっちはすごく暑いねー」

    楽「…本当に良かったのか?別にオレ1人でも…」

    小咲「ううん、いいの 私も…どうしても直接会って話したいの 話さなきゃいけない気がするんだ」

    楽「…そっか 集達も少しカンパしてくれたけど旅費的にここに滞在できんのは今日1日だけだ

    なんとしてもあいつに会って色々問いたださないとな…!」

    小咲「うん…!」

     

    ni215-2

    自販機でコーヒーを買おうとしていた千棘は2人の声に気付き、柱に隠れる

    千棘「(な…なな…なんであの2人がここに…!?

    あれは私が生み出した幻覚…じゃないわよね 本当に本当に楽と小咲ちゃん!?一体…どうして…!

    …決まってる 私を探しに来たんだ どうしてここがバレたんだろ つぐみにも教えてなかったのに…!

    …バカ ダメなのに 嬉しいって思ってる自分がいる…

    わぁあ〜!!でも絶対会うわけにいかないし!!だっていなくなった理由とか答えられるわけないもん!!

    だいたいどんな顔して会えって言うの!?ととと…とにかく逃げなきゃ…!)」

    華にメールする千棘

    “ごめんママ!ちょっと外で休憩してくる!!”

    華「…?どうしたの急に」

    受付から連絡が入る「社長、お客様がお見えになっています」

    玄関の映像で楽と小咲の姿を見た華「…なるほど」

    近くのカフェにいる千棘に華からメールが届く

    “さっき一条のぼうや達が来たけど適当にごまかしておいたわ

    今日1日はいられるらしいけど後はあなたの好きになさい”

    ため息をつく千棘「勢いで飛び出して来ちゃったけどどうしよっかなー…やっぱり会うわけにはいかないし なんとかやりすごさないと…

    (…2人は今どう思ってるかな 心配してる?怒ってる?

    いきなりいなくなってわけ分かんないよね そりゃ文句も言いたくなるよね…

    でも…でもね…私もどうしたらいいか分からないの だから…)

    …はぁ とにかく今日はもう戻らずに外をブラブラしてようかな

    広いニューヨークだもの、歩いてればそうそう出くわすことも…」

    しかし…ちょっとした仕切りを挟んで千棘の後ろの席にいる2人

     

    ni215-3

    小咲「…千棘ちゃんどこにいるのかな〜」

    楽「華さんの話じゃ近くにはいるらしいから とにかく探してみるしかねぇな〜」

    千棘「ごばっは!!」

    そそくさと店を出ていく千棘「(ななな…なんでいるの〜!?あああ危ない危ない油断してた!!

    会社近くのカフェなんかにいるんじゃなかった!もう少し遠くへ行かないと…!!)」

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    とりあえず広い通りまで来て一安心する千棘「(ここなら離れてるし人も多いし安全よね)」

    しかし…近くをすれ違う

    楽「あいつだったらどういうとこ行くと思う?」

    地図を指差す小咲「うーんこの辺とか?」

     

    ni215-4

    慌てて人の後ろに隠れる千棘「んごっふ!!

    (なんでいるの〜!?ヤバイヤバイヤバイ!!これはもちょっと本気で離れないと…!!)」

    しかし次行った先でも、その次でも…

    千棘「(いやそれにしても出くわし過ぎじゃない!?どういう追尾性能してるのこの2人…!!

    か…かくなる上は かくなる上は〜…!)」

    自由の女神が見えるバッテリーパークまで来た千棘「(…ふう ここまで来れば大丈夫でしょ

    考えてみれば簡単な話 単純にものスゴイ距離を取ればいいのよ

    会社から3時間は歩いてるし これなら出会う確率皆無なハズ…

    さすがにバッテリーパークはやりすぎだったかもしれないけど…

    あ〜あ、そろそろお腹空いたな 晩ごはん何にしよ…)」

    疲れた様子の千棘が俯いて歩いていると…

    前から楽と小咲が歩いてくる

    楽「…さすがに遠くまで来過ぎたかなぁ」

    小咲「少し戻ろっか」

     

    ni215-5

    ばったり…

    楽「あ」

    凄いスピードで逃げ出す千棘

    追いかける楽「あっ、こらー!!なんで逃げんだ!!待てこらー!!」

    小咲「千棘ちゃん!?」

    楽「お〜い!!くそっ…!相変わらず速ぇ…!待てー!!千棘ー!!」

    小咲も遅れながら後を追いかける「…千棘ちゃん!話を…」

    角を曲がって逃げる千棘

    楽「(出会って速攻ダッシュかよ…!そんなにオレ達に会うのが嫌なのか…!?

    わけわかんねぇけどここまで来たんだ キッチリ訳を話して貰うぞ…!!)」

    スピードに乗ったまま角を曲がって走る楽「待てぇー!!」

     

    ni215-6

    千棘は…角を曲がってすぐの所に身を潜めていた…

    千棘「(秘技・曲がってすぐの所に隠れるの術

    …まさかこんな遠くまで探しに来てるなんて…偶然にしても出来過ぎでしょ

    とにかくこのスキにもう少し距離を取らないと…)」

    そんな事を考えている千棘だったが、遅れて追いかけてきた小咲と…

    ばったり

    2人「あ」

    すぐさま逃げ出す千棘

    小咲「あっ、待っ…(…ダメだ 私じゃ追いつけない…)」

    どんどん小さくなっていく千棘の姿

    叫ぶ小咲「私 一条君のことが好きなの!!」

    立ち止まる千棘

    小咲「…ずっと好きだったの 千棘ちゃんはあの日…天体観測の日…やっぱり私の独り言聞いてたんじゃないの?

    千棘ちゃんの好きな人って一条君のことなんじゃないの…?だから千棘ちゃんは…

    ねぇ教えて?もしそうだとしたら…」

    振り返らずに言う千棘「…何言ってるの?私が?あのもやしを好き?そんなわけないでしょ、あり得ないよ

    前にも言ったでしょ?あいつとはただ恋人のフリをしてるだけでそれ以上でもそれ以下でもないの

    だいたいいつもケンカばっかだし趣味も合わないしそれに…」

     

    ni215-7

    小咲「…逃げないでよ」

    千棘「…ごめん」

    そう言い残して走り去っていく千棘

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    会社に戻り、部屋のソファに寝転がる千棘

    “逃げないでよ”

    千棘「(…逃げるなって…諦めるなってこと?

    小咲ちゃんは知らないんだよ だって楽は…小咲ちゃんのこと…)」

    体を起こす千棘「(…分かってるよ このままじゃダメだって

    本当は全部打ち明けた方が良いって分かってる

    でも怖いんだ フラれるって…傷つくって分かってて告白するのは…)」

    鍵を取り出す千棘「私が約束の女の子だったら かぁ…」

    その時、扉がノックされる

    華「千棘いる〜?」

    入ってくる華「なんだいるじゃない 戻ったなら声ぐらいかけなさいな」

    千棘「ママ」

    華「ん?なーにそれ?」

     

    鍵や絵本にまつわることを話す千棘

    華「…へぇ〜 そういうことになってたの

    じゃあもう坊やのペンダントが絵本に出てるのは知ってるのね?」

    千棘「うん あれから幾つかヒントも見つかったんだけど結局約束の女の子の正体は分からず仕舞いで…

    まぁ楽は昔の約束なんて関係ないってハッキリ言ってたから私がそうだった所で意味無いだろうけど」

    華「…ふ〜ん だったら会ってみる? その絵本の作者に」

    千棘「え…?」

    華「もしかしたら何かヒントになるかもしれないでしょ?

    あの絵本を描いた坊やのお母さんに」

    次回、ニセコイ 216 へ!!

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    【ネタバレ】ニセコイ 215 感想【注意】

    第215話 スキナノ

     

    話は少し遡って…

    屋上で2人で話す楽と小咲

    そこに千棘の父アーデルトから電話がかかってくる

    アーデルト「千棘は今、ニューヨークにいるよ そこに華のグループの本社があってね

    あの子が会ってくれるか分からないけど それでも行くかい?」

    楽「…はい あいつが今何を考えてんのか分かんないですけど 会ってみないと何にも分かりません

    とにかく会いに行ってみます」

    電話を切る楽

    小咲「千棘ちゃん、お母さんの所に行ってたんだ」

    楽「ああ、日本で探しても見つからないわけだ とりあえず居所は分かった、でも今回は皆で行くわけにも行かなそうだな

    交通費もかかりすぎるし、ひとまずオレだけ会いに行って話してくるよ 何かあったらすぐ連絡すっから」

    小咲「…」

    楽「あ、そうだ つぐみにも知らせといてやらねーと…」

     

    ni215-1

    小咲「いっ…一条君…!私も行く…!!」

     

    話は現在へ

    ニューヨークの華の会社に行って受付の人に取り次いでもらう楽と小咲

    受付「…ではあちらでお待ち下さい」

    楽「…大丈夫か小野寺 疲れてねーか?」

    小咲「大丈夫、こっちはすごく暑いねー」

    楽「…本当に良かったのか?別にオレ1人でも…」

    小咲「ううん、いいの 私も…どうしても直接会って話したいの 話さなきゃいけない気がするんだ」

    楽「…そっか 集達も少しカンパしてくれたけど旅費的にここに滞在できんのは今日1日だけだ

    なんとしてもあいつに会って色々問いたださないとな…!」

    小咲「うん…!」

     

    ni215-2

    自販機でコーヒーを買おうとしていた千棘は2人の声に気付き、柱に隠れる

    千棘「(な…なな…なんであの2人がここに…!?

    あれは私が生み出した幻覚…じゃないわよね 本当に本当に楽と小咲ちゃん!?一体…どうして…!

    …決まってる 私を探しに来たんだ どうしてここがバレたんだろ つぐみにも教えてなかったのに…!

    …バカ ダメなのに 嬉しいって思ってる自分がいる…

    わぁあ〜!!でも絶対会うわけにいかないし!!だっていなくなった理由とか答えられるわけないもん!!

    だいたいどんな顔して会えって言うの!?ととと…とにかく逃げなきゃ…!)」

    華にメールする千棘

    “ごめんママ!ちょっと外で休憩してくる!!”

    華「…?どうしたの急に」

    受付から連絡が入る「社長、お客様がお見えになっています」

    玄関の映像で楽と小咲の姿を見た華「…なるほど」

    近くのカフェにいる千棘に華からメールが届く

    “さっき一条のぼうや達が来たけど適当にごまかしておいたわ

    今日1日はいられるらしいけど後はあなたの好きになさい”

    ため息をつく千棘「勢いで飛び出して来ちゃったけどどうしよっかなー…やっぱり会うわけにはいかないし なんとかやりすごさないと…

    (…2人は今どう思ってるかな 心配してる?怒ってる?

    いきなりいなくなってわけ分かんないよね そりゃ文句も言いたくなるよね…

    でも…でもね…私もどうしたらいいか分からないの だから…)

    …はぁ とにかく今日はもう戻らずに外をブラブラしてようかな

    広いニューヨークだもの、歩いてればそうそう出くわすことも…」

    しかし…ちょっとした仕切りを挟んで千棘の後ろの席にいる2人

     

    ni215-3

    小咲「…千棘ちゃんどこにいるのかな〜」

    楽「華さんの話じゃ近くにはいるらしいから とにかく探してみるしかねぇな〜」

    千棘「ごばっは!!」

    そそくさと店を出ていく千棘「(ななな…なんでいるの〜!?あああ危ない危ない油断してた!!

    会社近くのカフェなんかにいるんじゃなかった!もう少し遠くへ行かないと…!!)」

     

    とりあえず広い通りまで来て一安心する千棘「(ここなら離れてるし人も多いし安全よね)」

    しかし…近くをすれ違う

    楽「あいつだったらどういうとこ行くと思う?」

    地図を指差す小咲「うーんこの辺とか?」

     

    ni215-4

    慌てて人の後ろに隠れる千棘「んごっふ!!

    (なんでいるの〜!?ヤバイヤバイヤバイ!!これはもちょっと本気で離れないと…!!)」

    しかし次行った先でも、その次でも…

    千棘「(いやそれにしても出くわし過ぎじゃない!?どういう追尾性能してるのこの2人…!!

    か…かくなる上は かくなる上は〜…!)」

    自由の女神が見えるバッテリーパークまで来た千棘「(…ふう ここまで来れば大丈夫でしょ

    考えてみれば簡単な話 単純にものスゴイ距離を取ればいいのよ

    会社から3時間は歩いてるし これなら出会う確率皆無なハズ…

    さすがにバッテリーパークはやりすぎだったかもしれないけど…

    あ〜あ、そろそろお腹空いたな 晩ごはん何にしよ…)」

    疲れた様子の千棘が俯いて歩いていると…

    前から楽と小咲が歩いてくる

    楽「…さすがに遠くまで来過ぎたかなぁ」

    小咲「少し戻ろっか」

     

    ni215-5

    ばったり…

    楽「あ」

    凄いスピードで逃げ出す千棘

    追いかける楽「あっ、こらー!!なんで逃げんだ!!待てこらー!!」

    小咲「千棘ちゃん!?」

    楽「お〜い!!くそっ…!相変わらず速ぇ…!待てー!!千棘ー!!」

    小咲も遅れながら後を追いかける「…千棘ちゃん!話を…」

    角を曲がって逃げる千棘

    楽「(出会って速攻ダッシュかよ…!そんなにオレ達に会うのが嫌なのか…!?

    わけわかんねぇけどここまで来たんだ キッチリ訳を話して貰うぞ…!!)」

    スピードに乗ったまま角を曲がって走る楽「待てぇー!!」

     

    ni215-6

    千棘は…角を曲がってすぐの所に身を潜めていた…

    千棘「(秘技・曲がってすぐの所に隠れるの術

    …まさかこんな遠くまで探しに来てるなんて…偶然にしても出来過ぎでしょ

    とにかくこのスキにもう少し距離を取らないと…)」

    そんな事を考えている千棘だったが、遅れて追いかけてきた小咲と…

    ばったり

    2人「あ」

    すぐさま逃げ出す千棘

    小咲「あっ、待っ…(…ダメだ 私じゃ追いつけない…)」

    どんどん小さくなっていく千棘の姿

    叫ぶ小咲「私 一条君のことが好きなの!!」

    立ち止まる千棘

    小咲「…ずっと好きだったの 千棘ちゃんはあの日…天体観測の日…やっぱり私の独り言聞いてたんじゃないの?

    千棘ちゃんの好きな人って一条君のことなんじゃないの…?だから千棘ちゃんは…

    ねぇ教えて?もしそうだとしたら…」

    振り返らずに言う千棘「…何言ってるの?私が?あのもやしを好き?そんなわけないでしょ、あり得ないよ

    前にも言ったでしょ?あいつとはただ恋人のフリをしてるだけでそれ以上でもそれ以下でもないの

    だいたいいつもケンカばっかだし趣味も合わないしそれに…」

     

    ni215-7

    小咲「…逃げないでよ」

    千棘「…ごめん」

    そう言い残して走り去っていく千棘

     

    会社に戻り、部屋のソファに寝転がる千棘

    “逃げないでよ”

    千棘「(…逃げるなって…諦めるなってこと?

    小咲ちゃんは知らないんだよ だって楽は…小咲ちゃんのこと…)」

    体を起こす千棘「(…分かってるよ このままじゃダメだって

    本当は全部打ち明けた方が良いって分かってる

    でも怖いんだ フラれるって…傷つくって分かってて告白するのは…)」

    鍵を取り出す千棘「私が約束の女の子だったら かぁ…」

    その時、扉がノックされる

    華「千棘いる〜?」

    入ってくる華「なんだいるじゃない 戻ったなら声ぐらいかけなさいな」

    千棘「ママ」

    華「ん?なーにそれ?」

     

    鍵や絵本にまつわることを話す千棘

    華「…へぇ〜 そういうことになってたの

    じゃあもう坊やのペンダントが絵本に出てるのは知ってるのね?」

    千棘「うん あれから幾つかヒントも見つかったんだけど結局約束の女の子の正体は分からず仕舞いで…

    まぁ楽は昔の約束なんて関係ないってハッキリ言ってたから私がそうだった所で意味無いだろうけど」

    華「…ふ〜ん だったら会ってみる? その絵本の作者に」

    千棘「え…?」

    華「もしかしたら何かヒントになるかもしれないでしょ?

    あの絵本を描いた坊やのお母さんに」

    次回、ニセコイ 216 へ!!

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