痛い話 ブログ

いろんな話題を勝手に収集しまくるブログ。おもしろい、たのしい、痛い、めずらしい、注目されている、されていないを関係なくまとめてます。

    ベイビーステップ

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    【ネタバレ】BabySteps ベイビーステップ 394 感想【注意】

    #394 意志

     

    いきなりブレイクした栄一郎

    続いて栄一郎のサーブゲーム

    栄一郎のサーブはセンターへ、リターンするアルバー

     

    bs394-1

    攻める栄一郎「(前にいる分、速く動く…前(ここ)がグランドスラムで戦う為の主戦場なら…ここで結果を出し続ける!)」

    アルバー「(くそっ…ただでさえ展開が早いのに更にこうも守備位置が前だと…対応が遅れて何をするにも後手に回る…)」

    フォアハンドでクロスに決める栄一郎「よしっ」

    15ー0

    アルバー「(この前、対戦した時のマルオとは明らかに違う…

     

    bs394-2

    いや…あの時から素早い対応力…折れないメンタル…底知れない怖さはあった だからって…たった7か月で…何があったんだ!?)」

     

    試合は進んでいく

    最後はアルバーのアウトでファーストセットは6ー3で栄一郎が獲る

     

    すぐさまノートに書き込む栄一郎

    「(よし…!攻撃が多彩なアルバーのテニスが単調になってきた 早い展開を打開するのに得意のフォアに頼るしかなくなってるからだ…

    ただ、このテニスは俺の消耗も激しいから本戦まで戦うんなら少しでも早く終わらせたい)」

     

    タイムがかかり、セカンドセットがアルバーサーブで始まる

    アルバー「冗談じゃねえ…このままやられてたまるかよ…」

    サーブはワイドへ、リターンする栄一郎

    下がるアルバー「(1歩下がって展開の早さに対応する…)」

    それを見た栄一郎はフォアハンドで山なりのスピンをクロスに打つ

    アルバー「(今度は遅い…しかも強いスピン…!)」

    前に出る栄一郎

    アルバー「(更に深い…体勢が整わない内に前に詰められた…クソッたれ…こっちはもう2年も下部ツアーを回ってんだよ!)」

     

    bs394-3

    栄一郎のサイドをストレートに抜くアルバー「よし!」

    栄一郎「(今までなかった決められ方…俺の守備位置に対応してきてる)」

    ガットを直しつつ一息吐く栄一郎「(ここでこっちも1度守備位置を下げる手もある それでアルバーがタイミングを崩せば撹乱させられるかもしれない…

    …だけどそれは一時的にアルバーを欺くだけ 俺が後ろに下がればアルバーには “相手を下げられる” という希望が生まれる

    そうなった時、自分が “逃げ” てたと気付く…それじゃこの先は勝てない!)」

    続いてのアルバーのサーブもワイドへ

    バックハンドでリターンする栄一郎「(ここはたとえ苦しくてもこの守備位置で勝ちを見出す!)」

    しかしこのポイントはアルバーのフォアハンドにやられる

    栄一郎「(俺だって前にいる分、速く動いて早くアイディアを出さなきゃいけない…

    その為にどうしても必要なのは…この位置で戦い続けて得られる経験とデータ…)」

     

    セカンドセットの最初のサーブゲームはお互いキープし合う

     

    栄一郎「(1球でも多く、あらゆる状況の対応策を蓄積して…できるだけ瞬時に最善策を選択できるように…

    その成功と失敗の積み重ねが…)」

     

    お互いキープをし続けて、セカンドセット第7ゲーム…

    ドロップショットを打つアルバー

    集中してよく見えていた栄一郎は追いついて決める

     

    bs394-4

    栄一郎「(アイディアを増やして 思いつく時間を早める!)」

    諭吉「ついにブレイク!」

    栄一郎「(もっと効果的なアイディアはないか検証し続ける…もっと強く正確には打てないか追求し続ける…

    この方が絶対 目先の勝利を追うより確実に勝てる!それを信じて頭をフル回転して速く動く!

     

    bs394-5

    プロとして世界で勝ちたいなら…本当にあのレベルで勝ちたいならこれをやり続けるしかない!)」

     

    最後は栄一郎のフォアの逆クロスで試合は決着する

    カウントは6ー3、6ー4

    栄一郎「よし!」

     

    試合後の握手をする2人

    去っていくアルバー「(ここまでの奴だったってことか…)」

     

    大林「確かにチャレンジャーレベルって言われてる全日本選手権でベスト4に入っただけはあるな」

    諭吉「いやあの時より確実に強くなってますって」

     

    栄一郎の試合を見ていた様子の王偉

     

    ナツの元に行って喜ぶ栄一郎

     

    久々の試合で快勝して感覚を取り戻した栄一郎は…

    翌日の2回戦、予選第2シードで日本ランキング17位・世界ランキング427位の川越革(28歳)と対戦し…

    6ー4、3ー6、6ー2のフルセットで勝利

     

    更に翌日、予選の決勝

    ここ最近苦しんできた世界ランキング上位の海外勢、アッピア(イタリアの22歳・780位)にも6ー3、6ー2で快勝し

    ノーシードから圧巻の本戦進出を果たす

     

    栄一郎はこの予選3試合で

    今までに経験したことのない進化を実感していた

    次回、BabySteps ベイビーステップ 395 へ!!

    #395 チャレンジャー本戦

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    【ネタバレ】BabySteps ベイビーステップ 393 感想【注意】

    #393 照準

     

    アルバーの返球に素早く反応し、テイクバックする栄一郎「(これを…)」

    アルバー「!」

     

    bs393-1

    栄一郎のストレートへのショットは惜しくもアウトで0ー15

    栄一郎「!」

    口が開いているナツ

    アルバー「(何だ…今のは…)」

    サーブ位置につく栄一郎「(練習通りの早い反応と加速を意識したらボールに近づきすぎてつんのめった

    タイミングは崩れたけど余裕はあったってこと…タイミングを合わせていければ…)」

    栄一郎はワイドへサーブ

    バックハンドでリターンするアルバー

     

    bs393-2

    またも素早くボールに追いついてテイクバックしている栄一郎

    動きがピタ…と止まるアルバー「(う…また…)」

    栄一郎はフォアでクロスに打つ

    なんとか返すアルバー

    栄一郎「(よし…完全に体勢を崩した)」

    フォアハンドでクロスに決める栄一郎「(よしっ!これだ)」

     

    大林「お…丸尾くん出だしから好調だねー」

    それを聞いた諭吉はキョトンとしている…

    大林「…?」

     

    アルバー「(コンマ何秒だろうが打点に入ってからの時間が長い…そのせいで本来なら流れである程度わかるはずのコースの予想が全くできない

    …だったら…その時間を与えない展開に持ち込むだけ)」

    栄一郎のサーブはセンターへ

    フォアに回り込むアルバー

    栄一郎「(得意のフォアに回り込まれた… フォアで狙ってくる時はクロスが半分以上… …少しクロスを意識…)」

    右足に少しだけ重心を傾ける栄一郎

    アルバーは栄一郎の読み通りクロスへ

    走り出す栄一郎「(きた!!正確な最初の1歩…加速!力を抜いてタイミングよく減速…)」

    アルバー「(またか…!)」

    栄一郎「(練習してきたリズムと同じ!!)」

    フォアハンドでクロスに決める栄一郎「(よし決まった!)」

    30ー15

    栄一郎「(1か月で瞬発力がついたわけじゃないけど…これが打点の位置に早く入ることを意識してきた効果…)」

    大林「おおっ、丸尾くんこのままいけば勝てるかもね」

    諭吉「いや…それどころか これちょっとすごくないですかね」

    大林「さすがにまだ分からないだろう…ランキングだって相手の方が上だし」

     

    栄一郎「(まずはサーブで優位を渡さない!そしてとにかく早く打点に入る!)」

    その通りのプレーをし、バックハンドでストレートに決める栄一郎

    栄一郎「(これが完璧にできた時は…相手の動きが一瞬止まる!)」

     

    bs393-3-1

    冷静にドロップショットを打つ栄一郎

    アルバーはほぼ動くこともできない…

    最初のサーブゲームをキープした栄一郎

     

    コートチェンジ

    栄一郎「(ずっと2対1で練習してたから分からなかったけど これ…いいかも!)」

     

    サーブ位置につくアルバー「(ブレイクが難しいとなると…サーブは絶対キープだ…)」

    栄一郎「(世界トップのサーブを意識して練習してきたんだ リターンは強気にいっていいはず)」

    アルバーがトスを上げた瞬間…1歩前に出る栄一郎

    アルバー「!」

    アルバーのサーブはセンターへ

    バックハンドでクロスに強打する栄一郎

    なんとか返すアルバー「(バックの高いボールの処理がうまくなってやがる…)」

    次の瞬間…少し甘くなったアルバーの返球をフォアに回り込んでいる栄一郎

    ハッとして動きが一瞬止まるアルバー「(おい…ちょっと待て…)」

     

    bs393-4

    ストレートに決める栄一郎、0ー15

    栄一郎「(リターンでこれができるなら…この試合はいける…!)」

    アルバー「…!」

     

    諭吉「俺、アニキの練習に付き合ってきたから分かるんですけど…

    アニキは今、相手の反応やボールが “想定” より遅いから それに合わせながら戦ってるんです」

    大林「!?」

    諭吉「今は試合の出だしだし、ポイントが取れてるからこんな感じですけど アニキにはまだ自分から動いて攻めにいける余地があるはずです」

    続いても決める栄一郎、0ー30

    大林「うそでしょ?丸尾くんてそんな強かったっけ?」

    諭吉「いやアニキはこの半年、慣れない海外での試合や生活環境の変化もあって結果が出せずに苦しんでいましたけど…

    そんな目の前に雲が掛かったような時でも試行錯誤しながら前に進むことはやめませんでした

    負けた分練習して、それでも結果が出なくてまたやり直してを繰り返していました

    だからその雲が晴れた時、気づけば驚くようなことになってたりするんです」

     

    bs393-5-1

    守備位置を上げる栄一郎

    諭吉「ほら…アニキが守備位置を上げました 前に出れば展開は早まるけど、それでもイケると判断したんでしょう

    でもこれでも多分…アニキはまだ全開ってわけではありません 実はあの守備位置こそがアニキの理想の守備位置なんです

    アニキは後ろでもポイントできてるのに、あえて理想の位置で勝負するみたいですね」

    大林「てことはつまり…」

     

    bs393-6

    諭吉「もう仕留めにかかろうとしてるんだと思います」

    フォアハンドでストレートに決める栄一郎「…っし!」

    いきなりブレイクした栄一郎

    次回、BabySteps ベイビーステップ 394 へ!!

    #394 意志

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    【ネタバレ】BabySteps ベイビーステップ 392 感想【注意】

    #392 可能性

     

    次の出場大会を慶稜チャレンジャーに決めた栄一郎

    STCでハードな練習を続ける…

    栄一郎「(出場予定の慶稜チャレンジャーは1か月半後…

    それまで日本で出られる試合はなく、海外遠征の費用も限られていることもあって 徹底的に練習することができた

    世界の頂上を目標に定めた練習は突き詰めるほど…その距離の遠さがわかった

    だけど…それがわかることが…嬉しかった…)」

     

    練習を終えて栄一郎がSTCから出ると…

     

    bs392-1

    ナツ「エーちゃんっ!久しぶり!」

    ぐっと喜びを噛みしめる栄一郎「(11日ぶりの生なっちゃん…!!)」

    ナツはアメリカのジョージア大学に無事合格、入学までの期間は日本で行われるプロの試合に出られるだけ出るようにしている

    歩く2人

    栄一郎「茨城オープンベスト4おめでと!」

    ナツ「ありがとう!!」

    栄一郎「確実にポイント稼いでるね」

    ナツ「まだまだこれからだよ 留学中はアメリカの大会中心になるからさ」

    栄一郎「アメリカはレベルの高い大会がたくさんあるもんね」

    ナツ「エーちゃんの試合もいよいよ来週だね」

    栄一郎「うん…久し振りの試合だよ!日程的にはちょうどなっちゃんが日本を発つ日が決勝戦なんだ」

    ナツ「知ってる…エーちゃんの優勝観られないのかなー」

    歩道橋の上、手を繋いで楽しく会話を続ける2人…

     

    bs392-2

    「(だんだん会えない期間が長くなってきた まるでこれからの予行練習みたいに

    お互いもう淋しいとは言わない…いろんな覚悟を積み重ねてきたから)」

     

    8月中旬…慶稜チャレンジャー予選初日

    ドキドキしながら会場に向かう栄一郎「(1つの試合に肉体改造から調整までこんな充実してたのも久しぶりだからか妙に緊張するな

    緊張はチャレンジの1歩手前!さあ初めてのチャレンジャーだ…!)」

    慶稜チャレンジャーはその名の通り、慶稜大学が主催するトーナメント…特徴的なのは運営のほとんどを学生が行っているところ

    受付を済ませた栄一郎の所に諭吉と大林がやってくる

    諭吉「アニキー!!おはようございまーす!!」

    大林「やあ久し振り」

    栄一郎「諭吉くん、大林くん!」

    大林「調子どう?」

    栄一郎「いい感じです この大会の雰囲気もいいですね」

    大林「今日はなんと深沢もWC(ワイルドカード)として予選に出るんだぜ」

    ワイルドカード…主催者推薦枠

    慶稜チャレンジャーのWCは一般部門と慶稜大学関係者部門の2枠がある

    諭吉「大学の練習プラスアニキの練習にも付き合ってたおかげでちょっと強くなれたみたいなんですよ!」

    大林「…ってこいつよく言うんだけど、どんな練習してるのか教えてくれないんだよ よかったら練習メニュー教えてよ」

    栄一郎「ノートでよければいいですよ、最近のはこれです」

    そこに通りかかったのは…

    王偉「マルオ!」

    栄一郎「あ…!王偉!」

     

    bs392-3

    王偉「久しぶりだな」

    栄一郎「久し振り!ようこそ日本へ!」

    大林「王偉選手って予選第1シードの…」

    諭吉「アニキ知り合いなんですか?」

    栄一郎「海外のフューチャーズで苦労してた時によくお世話になったんだ」

    王偉「これから練習頼める?」

    勿論と答えて、大林にノートを渡す栄一郎「あ、最近の練習メニューはこのノートの後半にあります」

    ノートをパラパラめくる大林「おー相変わらずキレイ…」

    するとあるページで手が止まる…

     

    bs392-4

    大林「グランドスラムへの最短ルート?」

    赤面する栄一郎「え?あ…ちょっとそこじゃないですよ!」

    大林「これは…またすごいな」

    栄一郎「いやそれはあくまで単なるポイントシステム上の話で…全部勝ったらどうなるかの過程を書いてみただけで…」

    力強く頷く栄一郎「う…うん!」

    大林「3年でプロになった丸尾くんならできるかもって思っちゃうな…」

    そして練習も終え、試合開始の時間が近づく…

    栄一郎「(予選は32ドローで4名が本戦に進める つまり3回勝てば本戦だ!

    もし本戦に出て優勝すれば世界ランキングが400位台まで上がるだけじゃない、日本ランキングも一気に20位内が見えてくる

    そうなれば日本代表Bチーム入りだって見えてくる

    そうなったらもっと充実した練習ができる スポンサーにもアピールできて世界で戦う目処が立つ

    さらに日本代表入り…ワールドツアーデビュー…そしてグランドスラム…!!

    俺の中で目の前の試合が一直線に繋がった!プロ転向後最高のモチベーション!

    しかも初戦の相手はあのアルバー・クリストフ!初めて出たオーストラリアのフューチャーズで負けた相手!)」

    コート入りする栄一郎

    アルバー「今日はそっちの地元(ホーム)だな」

    栄一郎「そうですね…よろしくお願いします

    (あの時はあっちの地元の風にやられただけじゃなかった…

    強力なフォアハンド、戦術の多彩さ、セルフジャッジの戦い方…最終的には総合力で負けた

    でも今日は地元だし天気もいいし心身共に準備万端)」

    応援席からはナツが見つめる…

    栄一郎「(このリベンジでスタートだ!)」

     

    栄一郎のサーブから試合が始まる

    栄一郎「(いくぞ!!)」

    ワイドへのサーブを落ちついてリターンするアルバー「(球威は増した…あの安定感は健在かどうか…)」

    栄一郎「(早く反応して速く動く!)」

     

    bs392-5

    コースが甘かった?のか、余裕でボールに追いつく栄一郎「ととっ(思ったよりボールが来なかった…)」

    そしてアルバーはフォアハンドで強打…!!

    アルバー「!」

     

    bs392-6

    素早く追いついてテイクバックしている栄一郎「(ここだ!)」

    次回、BabySteps ベイビーステップ 393 へ!!

    #393 照準

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    【ネタバレ】BabySteps ベイビーステップ 390 感想【注意】

    #390 照準

     

    池とレヴィナの試合が終わり、会場を後にする栄一郎達

    門馬「マックスは前半我慢して 池がギアを上げてくるのに合わせて仕掛けてきましたね」

    前多「池がノッてしまうと手が付けられないことをわかった上で勝負所を見極めてたんだろう

    思惑通りだったろうが、それでも池の潜在能力には驚いていたよな」


    門馬「確かにマックスは池の爆発力を警戒して何度も守備位置を下げてましたからね 丸尾くんはどう思ったよ?」

    栄一郎「え…あっ、ハイ!すごかったです…!

    結果、池くんはストレート負けでしたけど…同い年の日本人がこの舞台で堂々と戦ってる…それを目の前で見たら…

    今まで想像もできなかったテニス界の頂上が今日いきなりリアルになりました

    実は僕…池くんのプロ初戦を観てプロになろうと思ったんです…それでプロになって…この試合を観れて本当に良かったと思います」

    門馬「(何かスイッチが入ったみたいだな)」

    前多「確かに今日の池のプレーの影響力は大きかっただろうな

    君のようにこの試合を観た若い選手が世界を目指し、それを見て子供達がラケットを握る…

    そうやって日本のテニスは強くなっていくんだ 次は君が日本のテニスを強くする番だぞ

    さ、江川の試合だ!」

     

    タクマの相手は第18シードのバステル・ミュラー(ドイツ)

    席に座る栄一郎達

    そこにはタクマの両親も応援に来ている

    その光景を見た栄一郎の頭には両親の顔が浮かぶ…

    栄一郎「(がんばれ…タクマさん!)」

     

    bs390-1

    タクマのサーブから試合が始まる…

     

    この試合はファーストセットからタイブレイクに突入…


    栄一郎「(ここまで3回のセットポイントをものにできなかったタクマさんはここで劣勢に立たされた

    そして逆に握られた唯一のセットポイントを奪われ、セットを落としてしまう

    セカンドセットからはバステル・ミュラーがタクマさんの攻撃(サービスダッシュ)を封じにかかる

    堅実なリターンと攻撃的なパスにタクマさんは更にハイリスクな戦いを強いられ…

    結果、タクマさんの初めてのグランドスラム本戦はストレートでの初戦敗退となった)」

    カウントは7ー6、6ー3、6ー4

     

    そして河野も敗退…初の初戦突破とはいかなかった…

     

    会場を後にする一同

    河野「今日は結局、日本人全員初戦敗退でしたね…俺達若手もそろそろ上位に絡まなきゃいけないとこだけど…

    つくづくグランドスラムのシードトップ30ってのは…とんでもない怪物(バケモン)ばかりだな…

    門馬さん、明日の初戦応援してます!」

    門馬「おう」

    栄一郎達が歩いていると、ざわついているところからある会話が聞こえる

    *「おい!ジェームス・ファウラーが第14シードを破ったらしいぞ!」

    **「おおっ!ついに期待の若手が出て来たな!」

    ***「これは本物だろう!俺も観たかったなー」

    栄一郎「 “ファウラー” ってオーストラリアで18歳の選手ですよね」

    門馬「ああ 今、池と並び称されている世界40位台の期待の新鋭だ 言ってるそばからやってくれんな

    …ってことはこれで池との世界ランキングも逆転かもな」


    河野「更に怪物がどんどん出てくるってことか」

    その時、試合を終えたファウラーが会場から出てくる

    すれ違う一同

     

    bs390-2

    栄一郎「(同世代の頂上がもう1人…)」

    その時、こけた子供がボールを落として…ファウラーの足に当たる

     

    bs390-3

    振り返るファウラー…

    ビビった子供は泣き出そうとするが…

    華麗な足捌きでそのボールをリフティングするファウラー

     

    bs390-4

    そして頭の上にピタ…とボールを止める

    子供の表情がパーッと明るくなる


    ボールを渡すファウラー「ハイ」

    子供「あ…ありがとう!!」

    拍手する周囲の人達

    栄一郎「(あの身体で…あの身のこなし…しかも観てる人を一瞬で惹きつけた…)」

     

    bs390-5

    笑顔で手を振るファウラー

    栄一郎「(…でも笑顔はちょっと怖い…)」

     

    いつもの店で夕食をとる一同(池と門馬以外)

    浅野「今日はおつかれさん」

    一同「ういっス」

    浅野「池くんと門馬くんも誘ったんだけどね」

    タクマ「池は試合に負けた日は誰とも会わねーんスよ」

    栄一郎「(そういえば池くんの家にいた時も一切部屋から出てこない時があったよな…)」

    河野「門馬さんは家族と来てるからね 江川は両親いいの?」

    タクマ「せっかくロンドンに来たから観光してくって言ってました」

    浅野「江川は明日、ご両親と帰るの?」

    タクマ「そうッスね お前(栄一郎)はどうすんだ?」

    栄一郎「あ…色々考えたんですけど…」

    浅野「門馬くんの試合を観たいならもう1泊くらいしていけば?」

    栄一郎「…いえ、俺も明日帰ろうと思います

    あまりにたくさんの刺激をもらったので…今すぐ自分でやりたいことがあり過ぎて…

     

    bs390-6

    だから帰って…次は出場選手として来ます」

    笑顔の浅野「そうだな」

    栄一郎「浅野さん、タクマさん 本当にありがとうございました」

    怒りの表情のタクマ「ほんと次は自分の力で来いよ」

    栄一郎「あ…はい!」

    浅野「よし、じゃあ来年またここに来られるように ウィンブルドンにかんぱーい!」

    タクマ「なんスかそれ?」

     

    栄一郎「(ここでの時間は俺にとっては本当に大きかったと思う 初めてテニスの全体像が見えたのかもしれない

    早く…コートに立ちたい!)」

    帰路につく栄一郎

    次回、BabySteps ベイビーステップ 391 へ!!

    #391 プラス30

    5
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    【ネタバレ】BabySteps ベイビーステップ 389 感想【注意】

    #389 聖域

     

    世界一のレヴィナを相手に、最初のサーブゲームをキープした池

    続いてはレヴィナのサーブゲーム

    レヴィナのサーブはワイドへ


    リターンする池「(世界一相手にキープはできた…次の段階…)」

    レヴィナの返球に回り込む池「(このフォアを… ブレイクする為に… ストローク勝負でも勝つ!!)」

    逆クロスに打つ池

     

    bs389-1

    それは狙い通り…(?)に右隅へと入るが…

    当たり前のように追いついてテイクバックしているレヴィナが…

     

    bs389-2

    ダウンザラインに決める

    15ー0

    観客達「これがマックス!」「いいぞマックス!」

    栄一郎「(い…池くんの渾身のフォアを、体勢を崩すことなく一撃で…しかも絶対ミスしようがないくらい安定感のあるショットでエース…

    …勘で読んだわけでもないのにあの距離が一瞬でゼロになった あの体勢ならマックスはどこにどんなボールでも打てた!)」

    門馬「相手が最高のボールを打ってきたと分かって反応してねじ伏せてる 今のは池にこれが世界一だと知らしめたショットだったろう」

    池「(人間にそんなことできんのかよ…)」

    コーチのロニーは無言で見ている

    池「(なるほど…さすがに世界一ともなると…人のレベルじゃねえか… こっちも人を超えなきゃ勝てねえかぁ!)」

     

    続いてのラリー

    決めるつもりでストレートに鋭いショットを打つ池「(これで…どうだっ)」

    この球にも同様に追いついたレヴィナはフォアハンドでクロスに返す

    池「(…まだかよっ!)」

    バックハンドでライジング気味に打って攻める池

     

    bs389-3

    池「(もっと前で…もっと強く!)」

    ストレートに打ったショットが決まる

    15ー15

    レヴィナ「!」

    レヴィナも少し驚いたような表情だが、決めた池の方が目を見開いている…?

    池「うし!」

    観客達「うおおおーっ攻める攻める!」「今のライジング!テクニックもパワーも相当なもんだぞ!」「それより度胸が並外れてる!」

    凄まじいやりとりの試合を夢中でノートに記録していく栄一郎「(たった2ゲームだけど 世界一を狙ってるのが明らかにわかる…

    だから観てる人も池くんが何をするのか見たくて惹きつけられる…)」

    サーブゲームをキープするレヴィナ

     

    池は続いてのサーブゲームをキープする

     

    観客達「噂通り超攻撃型の新星だな!」「マックスはディフェンスも完璧だから見応えあるぞーっ!!」

    「さすが名コーチ・ロニーが認めた逸材!」「一方的な展開にはならなそうだぞ」「これは間違いなく近い将来トップ10に入ってくる大器だ!」「だろうな」

    栄一郎「(これが同じ日本人…同じ18歳…)」

    池と電話して話した時の事を思い出す栄一郎「(俺は…なんで “いつか” なんて言ってたんだろう)」

     

    池の言葉 “だってそこが俺達の頂上なんだぜ…”

     

    全てのラリーを目に焼き付ける栄一郎

     

    この展開は時間と共に変化し始める…

    ファーストセットをディフェンシブに耐えてものにした王者マックスは

    セカンドセット以降、池との打ち合いに応じ 激しく打ち合う中、ギアを上げる池をパワーでねじ伏せる

     

    bs389-4

    最後のショットはレヴィナがダウンザラインに決める

    6ー4、6ー3、6ー3で試合は終了する

    栄一郎「(結果、池くんは存在感を見せつけたものの 世界王者からセットは奪えなかった)」

     

    握手する2人

    池「ありがとうございました!」

    レヴィナ「18歳なんだよな…とんでもねえ時代が来ることは覚悟しとくぜ」

    池「あなたがいるここにまた戻ってきます」

    呆然としている栄一郎

    観客達「池ナイスゲーム!」「よくやった!」「来年待ってるぞーっ!!」

    栄一郎のノートには “ウィンブルドンに出るためには” の文字

    門馬「オイ丸尾、江川の試合観なくていいのか?」

    栄一郎「あっ、ハイ 今行きます!」


    次回、BabySteps ベイビーステップ 390 へ!!

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